垂直的マーケティング・システム(読み)すいちょくてきマーケティング・システム(英語表記)vertical marketing system; VMS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

垂直的マーケティング・システム
すいちょくてきマーケティング・システム
vertical marketing system; VMS

あるリーダー意思の下に,製品の生産から顧客に至るマーケティングの諸活動を統合化し,調整し,同期化することを通じて,技術・経営管理・販売促進面で経済性を実現することを目指した私的システム。リーダーは,メーカー卸売業者小売業者いずれであってもよい。 VMSには3つの組織形態がある。 (1) 同一企業内で製造から卸売・小売までの諸活動が統合された企業システム (垂直統合) 。 (2) ボランタリーチェーンフランチャイズ・チェーンなどの契約システム。 (3) チャネル・リーダーによって製品の流通過程を資本や契約によらず管理する管理システムがある。自然発生的な通常の製品流通のやり方と区別される点は,(1) 明確な流通チャネル・リーダーが存在する,(2) システム構成員はチャネル・リーダーによって選択され,調整されている。その結果,(1) 製品流通に必要な諸機能重複が小さくなり,(2) 流通諸活動の調整が容易になり,システムが合理化・効率化し,(3) システム全体利害が優先するために投資が必要な,大規模な流通技術体系をシステムの中に採り入れることができるというメリットがある。メーカーあるいは小売・卸売業者を問わず,最近の情報技術進展に伴い,情報システム化を基盤として一層 VMSが強化・発展する傾向がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ブランド用語集 の解説

垂直的マーケティング・システム

垂直的マーケティング・システムとは所有契約関係、有力構成員のリーダーシップなどに基づき生産者、卸売業者、小売業者が統合されたシステムとして働く流通チャネルのことをいう。他のチャネル構成員との間で利害を調整する機能を持ち、全体最適を図るために行動する。

出典 (株)トライベック・ブランド戦略研究所ブランド用語集について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android