城山(神奈川県)(読み)しろやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「城山(神奈川県)」の意味・わかりやすい解説

城山(神奈川県)
しろやま

神奈川県北西部、津久井郡(つくいぐん)にあった旧町名(城山町(まち))。現在は、相模原市(さがみはらし)の西部を占める緑(みどり)区の一地域。旧城山町は1955年(昭和30)川尻(かわしり)、湘南(しょうなん)の2村と三沢村の一部が合併して町制施行。2007年(平成19)相模原市に編入。「城山」の名称は津久井城跡のある城山にちなむ。北部を境川、東部を相模川が流れている。相模川の北部には低山性の、南部には中山性の山地が連なり、川岸には段丘がよく発達している。国道413号が走り、JR横浜線橋本駅からバスが通じる。相模川の谷口にあたる川尻付近から開け始め、山地東麓(とうろく)の川尻石器時代遺跡(国指定史跡)をはじめ、縄文遺跡や古墳がいくつもみられる。江戸時代には相模川は水運に利用され、通船が河口須賀(すか)浦(平塚市)へ通じていた。また、脇(わき)往還の津久井往来が通じ、久保沢と原宿には定期市が立ち、地元産の絹(川和縞(かわわじま))、木炭(堅炭(かたずみ))などの取引でにぎわっていた。1965年に城山ダムが完成して津久井湖ができ、釣りやボートなどの湖上スポーツ、一帯クリ・イモ・ウメなどの観光農業、ワラビフキなどの山菜狩りが盛んとなり、京浜からの訪客が多い。都市化の進行に伴い、遊休農地対策として市民農園や体験農業を推進している。南方の城山(津久井城跡)は中世期の典型的な山城(やまじろ)。城山ダムと津久井城跡の周辺に県立津久井湖城山公園がつくられている。

[浅香幸雄]

『『城山町史』全7巻(1988~1997・城山町)』

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