塚・冢(読み)つか

精選版 日本国語大辞典 「塚・冢」の意味・読み・例文・類語

つか【塚・冢】

〘名〙
① 土が盛り上がって小高くなった所。土を小高く盛り上げた所。目じるしなどとして造られることもある。
※地蔵十輪経元慶七年点(883)四「時に彼に一の大なる丘、広(ツカ)の所有りき」
太平記(14C後)三八「寄手千余騎の兵共〈略〉此の塚(ツカ)の上彼(かしこ)の𦊆(おか)に打上りて」
② 土などを盛り上げてつくった巣。蟻や鼠などの巣。
※石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六「狐〈略〉前は小く後は大なり、死ぬるときには必ず丘(ツカ)を守る」
③ 土などを高く盛り上げて作った墓。土墳。また、転じて一般に、墓をいう。
万葉(8C後)九・一八〇一「玉桙の 道の辺近く 磐構へ 作れる冢(つか)を」
※大和(947‐957頃)一四七「この女のつかのかたはらに、又つかどもつくりて」
能楽の作り物の一つ。二つに割った太い竹で約一メートル四方の台を作り、その四すみから約二メートルの高さに細い竹を組み上げ、上部に木の葉を置いたもの。墓を意味する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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