填込・嵌込(読み)はめこむ

精選版 日本国語大辞典 「填込・嵌込」の意味・読み・例文・類語

はめ‐こ・む【填込・嵌込】

〘他マ五(四)〙
隙間のある部分にぴったりと合わせ入れる。また、ある型、範囲などに合わせて押しこむ。はめて押しこむ。はめいる。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「詰開(つめびら)きの演説紋切形填詞(ハメコ)み」
明暗(1916)〈夏目漱石〉一〇「透し彫のやうに篏(ハ)め込(コ)まれた厚い格子の中を」
策略をめぐらすなどして、おとし入れる。だましこむ。
※落語・三枚起誓(1894)〈四代目橘家円喬〉「夫れぢゃア妾まで一杯箝(ハメ)込んだんだ」

はまり‐こ・む【填込・嵌込】

〘自マ五(四)〙
① 物の中にぴったりはいりこむ。物の中にひきこまれて身動きできないようになる。中へ落ちこむ。
我等一団と彼(1912)〈石川啄木〉五「胴の中へ頭が嵌(ハマ)り込んだやうに見えるが」
② かかわりあって、その中にひきこまれ動きがとれなくなる。特に、女の色香におぼれる。はまる。
浮世草子諸道聴耳世間猿(1766)四「好の道とて遊廓へはまりこみ」

はめ‐こみ【填込・嵌込】

〘名〙 はめこむこと。また、そのもの。あるいは、そのしくみ。
※無関係な死(1961)〈安部公房〉「北側の壁にはめ込みになっているベッド

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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