増毛(町)(読み)ましけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「増毛(町)」の意味・わかりやすい解説

増毛(町)
ましけ

北海道北西部、留萌(るもい)振興局管内の町。1900年(明治33)町制施行。町名はアイヌ語マシケ(カモメの多い所の意)によるなどの説がある。日本海に面し、国道231号が通じる。JR留萌本線の増毛駅があり同線の終着駅とされていたが、2016年(平成28)留萌―増毛間の廃止に伴い廃駅となった。町域は増毛山地の北部を占め、暑寒別(しょかんべつ)川、箸別(はしべつ)川、信砂(のぶしゃ)川、新信砂川沿いのわずかな平地水田と、サクランボ、ナシ、リンゴなどの果樹園が開ける。天保(てんぽう)年間(1830~1844)に漁民が許可されて道南から入り漁業集落が形成され、「千石場所」とよばれるニシン漁の好漁場であった。現在も増毛港を中心に、サケカレイ、エビ、イカ、タコ、ホタテガイなどの漁獲と水産加工が行われ、栽培漁業も推進されている。海岸西部の雄冬(おふゆ)岬付近は海食崖(がい)が連なり奇勝が展開し、南部町境にそびえる暑寒別岳の山麓(さんろく)にはスキー場や森林公園(渓流の森)があり、ともに暑寒別天売焼尻(てうりやぎしり)国定公園の一部となっている。旧本間家住宅(2000年公開開始)は国の重要文化財。面積369.71平方キロメートル、人口3908(2020)。

岡本次郎

『『増毛町史』(1974・増毛町)』


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