士(漢字)

普及版 字通 「士(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

[字音]
[字訓] おとこ・つわもの

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 象形
鉞(まさかり)の刃部を下にしておく形。その大なるものは王。王・士ともにその身分を示す儀器。〔説文〕一上に「事(じ)なり」と畳韻を以て解し、「數は一に始まり、十にる。一と十とに從ふ。孔子曰く、十を推して一に合するを士と爲す」と孔子説を引くが、当時の俗説であろう。士は戦士階級。は廷礼の執行者。大夫は農夫の管理者。この三者が古代の治者階級を構成した。

[訓義]
1. おとこ、つわもの、戦士、兵士。
2. 朝廷に出仕するもの、士、官吏、役人。
3. 獄官、裁判官。
4. 陪臣、公大夫に仕えるもの。
5. 学徳の立派な人。
6. 下級の官吏、子弟、庶士。
7. 男子の通称、女子の美称。
8. 仕と通じ、つかえる。
9. 事と通じ、こととする。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕士 ヲノコ・ヲトコ・コト・ヒト・ツカフ/壯士 タケキヒト

[部首]
〔説文〕〔玉〕ともに壻・壯(壮)・の三字をこの部に属する。他に、在も士に従い、才(さい)声の字である。

[語系]
士・仕・事dzhiは同声。(史)shiも声が近い。士・仕は同系。・事も同系。は内祭、他に使して事(まつ)るを事という。

[熟語]
士員士官士気・士規・士議・士郷・士伍・士行・士子・士史・士儒・士衆・士庶・士女・士臣・士紳・士人・士姓・士籍・士節・士操・士則士族・士卒・士田・士徒・士馬・士品・士夫・士風・士兵・士望・士民・士名・士友・士流・士力・士林・士倫・士類・士列・士論
[下接語]
遺士・隠士・韻士・英士・鋭士・衛士・下士・佳士・家士・雅士・魁士・学士・寒士・奇士・騎士・義士・吉士・窮士・狂士・士・恭士・僑士・驕士・曲士・軍士・士・傑士・健士・賢士・顕士・元士・彦士・孤士・居士・巧士・甲士・恒士・貢士・高士・豪士・国士・才士・材士・策士・死士・志士・儒士・秀士・術士・俊士・処士・庶士・女士・将士・上士・信士・紳士・進士・人士正士清士・説士・碩士・節士・戦士・善士・壮士・造士・俗士・多士・大士・達士・談士・中士・朝士・直士・通士・闘士同士・道士・能士・博士・美士・貧士・武士・伏士・文士・兵士・弁士・方士・髦士・名士・猛士・士・門士・勇士・吏士・力士・良士・烈士・廉士・浪士

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android