日本大百科全書(ニッポニカ) 「変性(化学)」の意味・わかりやすい解説
変性(化学)
へんせい
denaturation
エタノール(エチルアルコール)など工業製品でありながら嗜好品(しこうひん)となるものに、別の物質を混ぜて飲用できないようにすること。
エタノールの場合には、飲用に供するものには「酒税法」により高額な税が課せられているが、溶剤や合成原料に使われる工業用エタノールは課税されない。非課税のエタノールが飲用に転用されないために、分離が困難な物質を少量添加することを変性といい、添加する物質を変性剤という。変性剤は悪臭、不快な味、毒性をもち、容易にアルコールから分離できないが、工業上の用途には支障がない物質を選ぶ。詳しくは「変性アルコール」の項を参照されたい。
[廣田 穰 2016年2月17日]
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