大久保 常吉(読み)オオクボ ツネキチ

20世紀日本人名事典 「大久保 常吉」の解説

大久保 常吉
オオクボ ツネキチ

明治期の著述家,新聞記者 東京府議。



生年
嘉永6年(1853年)

没年
大正13(1924)年2月13日

出生地
武蔵国小金井(東京都小金井市)

経歴
生家は武蔵国小金井の名家。明治13年「江湖新聞」の創刊とともに署名編集人となり、開拓使長官・黒田清隆による官有物払下げ批判の論陣を張る。15年からは改進党内の鷗渡会派の機関誌「内外政党事情」で記者を務めた。この間、自由民権運動の論客として活動し、17年には自由党と改進党との団結を唱えた。19年「朝野新聞」署名印刷人となり、「国会準備新聞」や「西京新聞」の創刊・運営にも関与した。27年家督を継ぎ、父祖代々の名である善左衛門(13代目)を襲名。以後は政界で活動し、小金井村議、学務委員、東京府議などを歴任、34年には小金井村長に就任した。退任後も小金井保存会を興して玉川上水の桜を保護するなど、郷里のために尽くした。一方、著述家としても知られ、大衆小説や滑稽小説、パンフレットなどを数多く執筆した。著書に「日本政党事情」「廟堂人物論」「おに小町」「東京未来繁盛記」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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