大仏維貞(読み)おさらぎ・これさだ

朝日日本歴史人物事典 「大仏維貞」の解説

大仏維貞

没年嘉暦2.9.7(1327.9.22)
生年弘安8(1285)
鎌倉末期の幕府連署。大仏宗宣北条時茂の娘の子。初名貞宗陸奥守,修理大夫を歴任。嘉元2(1304)年引付衆に加えられ,同3年小侍奉行,徳治1(1306)年評定衆・引付頭人となる。正和4(1315)年六波羅探題南方となり正中1(1324)年まで在京。この間探題府を主導し悪党鎮圧などに手腕を発揮した。正中1年の後醍醐天皇による正中の変は,維貞の探題離任後に勃発した。鎌倉下向後は評定衆に復し,嘉暦1(1326)年連署に就任。翌年病死した。和歌に秀で,勅撰集に11首が入集。鎌倉末期の北条一門のなかでは実務的能力を持った存在であった。

(森幸夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大仏維貞」の解説

大仏維貞 おさらぎ-これさだ

1286-1327 鎌倉時代の武将
弘安(こうあん)9年生まれ。大仏(北条)宗宣(むねのぶ)の子。母は北条時茂の娘。評定衆,引付頭人(とうにん),陸奥守(むつのかみ)などをへて,正和(しょうわ)4年六波羅(ろくはら)探題南方。元亨(げんこう)4年に辞任して鎌倉へかえり,評定衆に再任され,嘉暦(かりゃく)元年連署となった。歌が「玉葉和歌集」以下の勅撰集におさめられている。嘉暦2年9月7日死去。42歳。初名は貞宗。

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