大内山(読み)おおうちやま

精選版 日本国語大辞典 「大内山」の意味・読み・例文・類語

おおうち‐やま おほうち‥【大内山】

[1]
[一] 京都市右京区にある仁和寺(にんなじ)の北の山。宇多天皇の離宮があった。御室山。
[二] 箏曲。生田流。純箏物。高野茂作曲。高崎正風作歌。明治二七年(一八九四)、明治天皇銀婚式を祝って作られた。のち、松坂春栄が替手(かえで)形式に改作。
[2] 〘名〙 (一)(一)から転じて、上皇の御所をいうようになり、さらに宮中をさすようになった。皇居。禁中。
源氏(1001‐14頃)末摘花「もろともにおほうち山は出でつれど入る方見せぬいさよひの月」

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デジタル大辞泉 「大内山」の意味・読み・例文・類語

おおうち‐やま〔おほうち‐〕【大内山】

京都市仁和にんなの北にある山。宇多天皇の離宮が置かれた所。
皇居のこと。
[類語]皇居御所宮城宮中内裏王宮宮殿宮廷離宮禁中禁裏畏き辺り王城雲上雲の上九重ここのえ行宮あんぐう

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日本歴史地名大系 「大内山」の解説

大内山
おおうちやま

御室おむろ山ともいい、南麓に仁和にんな寺がある。標高二三〇メートル。

大内とは禁中・内裏をいうが、延喜四年(九〇四)宇多法皇が仁和寺内に御座所を営み、御室御所とよばれたことにちなむ。「大和物語」三五段に

<資料は省略されています>

とある。歌枕で、「八雲御抄」は「在名所大内也、普通寄禁中、源氏始之歟」と記し、「大和物語」を引く。歌も山をさす場合と、禁中を意味する場合とがある。

<資料は省略されています>

花鳥余情」は「今案大内山は仁和寺の名所なれ共こゝには内裏の心に用ひたり。(中略)源頼政大内守護武士にて三位をのぞみし歌に大内山の山守はとよめり」といい、「李部王記」に承平三年(九三三)四月六日「天子放若狭国所献之雉於大内山」とあることを記す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大内山」の意味・わかりやすい解説

大内山
おおうちやま

三重県中南部、度会郡(わたらいぐん)にあった旧村名(大内山村(むら))。現在は大紀(たいき)町の西部を占める地域。旧村名は古代からの郷名による。2005年(平成17)大宮町、紀勢(きせい)町と合併して大紀町となる。台高山脈(だいこうさんみゃく)の南麓(なんろく)に位置し、旧村域の93%が山林で、集落と耕地は宮川の支流大内山川の狭い谷底に分布している。全国屈指の多雨地帯で年降水量3349ミリメートル、降水日数152日を数える。JR紀勢本線、国道42号が通じ、南へは荷坂(にざか)峠の急崖(きゅうがい)を下る。スギ、ヒノキの林業、シイタケ、茶、酪農(大内山牛乳)が主産業。全地域が奥伊勢(おくいせ)宮川峡県立自然公園区域で、大内山川最上流に犬戻(いぬもどり)峡の景勝がある。

[伊藤達雄]

『『大内山村史』全2巻(2004・大内山村)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大内山」の意味・わかりやすい解説

大内山
おおうちやま

三重県中南部,大紀町南西部の旧村域。宮川の支流大内山川上流域に位置する。 1889年村制。 2005年大宮町,紀勢町と合体して大紀町となった。ほとんどが山林で,スギ,ヒノキの人工林が多い。全国屈指の多雨地帯で,林業や酪農が行なわれる。最上流部の犬戻峡は景勝地で,林道が通じ,渓流釣り,ハイキングなどに好適。奥伊勢宮川峡県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「大内山」の意味・わかりやすい解説

大内山 (おおうちやま)

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「大内山」の解説

おおうちやま【大内山】

広島の日本酒。蔵元の「大内山酒造」は明治40年(1907)創業。所在地は呉市中央。

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