日本大百科全書(ニッポニカ) 「大原(岡山県)」の意味・わかりやすい解説
大原(岡山県)
おおはら
岡山県北東部、英田郡(あいだぐん)にあった旧町名(大原町(ちょう))。現在は美作市(みまさかし)の北東部を占める地域で、兵庫県と接している。旧大原町は、1922年(大正11)町制施行。1954年(昭和29)讃甘(さのも)、大野、大吉の3村と合併。2005年(平成17)勝田(かつた)郡の勝田町、英田郡の美作、作東(さくとう)、英田の3町および東粟倉(ひがしあわくら)村と合併して市制施行、美作市となった。吉井川支流の吉野川の上流に位置し、谷底平野を標高400~600メートルの山地が囲む。中心集落の古町は因幡(いなば)往来(鳥取―姫路)の宿場町として繁栄し、現在も本陣や脇本陣のある古い町並みが残っている。智頭(ちず)急行が通じ、国道373号がここを経由して兵庫県と鳥取県を結んでいて、429号が交差する。また一帯は古代美作国英多郡大原郷(おおはらのごう)、中世の大原保(おおはらのほ)で、これが旧町名となった。旧讃甘村宮本は宮本武蔵(むさし)の生誕地といわれる。農林業が中心で、花木、葉タバコ、クリが特産であるが、養鶏も盛んである。
[由比浜省吾]
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