大台(町)(読み)おおだい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大台(町)」の意味・わかりやすい解説

大台(町)
おおだい

三重県中南部、多気郡(たきぐん)にある町。1956年(昭和31)三瀬谷(みせだに)町と川添(かわぞえ)村が合併して成立。2006年(平成18)宮川村(みやがわむら)を合併。町名は大台ヶ原にちなむ。宮川の上・中流域に位置し、宮川と支流の大内山川の段丘上に耕地と集落が並ぶが、町域の約90%が山林で、林業、製材業とシイタケ、茶の栽培が主産業。茶は伊勢(いせ)茶のなかでも高品質の大台茶として知られ、全国の品評会でも優勝している。JR紀勢本線と国道42号が交通幹線で、宮川上流沿いに国道422号が走る。中心集落の三瀬谷はかつて伊勢と熊野を結ぶ東熊野街道(伊勢路)の宿駅として栄えた地。中世末期伊勢国司北畠具教(きたばたけとものり)が居を構えたが、1576年(天正4)織田信長の手の者によって自刃に追い込まれた。北畠氏終焉(しゅうえん)の地で、三瀬谷館趾(やかたあと)(県史跡)の碑が立つ。全町奥伊勢宮川峡県立自然公園区域で、三瀬谷ダムは奥伊勢湖と名づけられ宿泊施設、ボート競技場(漕艇場)があり、サクラの名所となっている。大台ヶ原山への登山口にもあたる。面積362.86平方キロメートル、人口8668(2020)。

[伊藤達雄]

『『大台町史』(1996・大台町)』


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