大同江(読み)だいどうこう(英語表記)Taedong-gang

精選版 日本国語大辞典 「大同江」の意味・読み・例文・類語

だいどう‐こう ‥カウ【大同江】

朝鮮半島の北西部を流れる大河。小白山南側のふもとに源を発し、ピョンヤン平壌)の南西部を流れて黄海に注ぐ。全長四三一キロメートル。

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デジタル大辞泉 「大同江」の意味・読み・例文・類語

だいどう‐こう〔‐カウ〕【大同江】

朝鮮民主主義人民共和国狼林山脈に源を発し、平壌ピョンヤンを経て黄海に注ぐ川。全長431キロ。テドンガン

テドン‐ガン【大同江】

だいどうこう(大同江)

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改訂新版 世界大百科事典 「大同江」の意味・わかりやすい解説

大同江 (だいどうこう)
Taedong-gang

朝鮮半島北西部の川。狼林山脈主峰の小白山に発し,途中馬灘江,沸流江,普通江,載寧江等大小の支流を合して黄海へ注ぐ。長さ439kmで朝鮮第5位の川である。船舶の可航距離は260kmに及ぶ。1866年,河口から140km地点にある平壌近くまで侵入したアメリカ商船シャーマン号が撃沈される事件が起きた(洋擾(ようじよう))。流域面積は1万6673km2に達し,上流の山岳地帯は森林資源や金,亜鉛等の鉱物資源に富み,楽浪準平原の名で総称される中・下流域は平壌平野,載寧平野等の平野に恵まれ,肥沃な農業地帯となっている。また,中流域一帯は広い範囲にわたって無煙炭の炭田が分布し,工業の原料として利用されている。古朝鮮はじめ,高句麗等古代王朝が盛衰した地であり,その後も歴代王朝が穀倉地帯として重視した。古代史にあらわれる浿水(ばいすい)をこの大同江に比定する説もある。流域には首都平壌市をはじめ,松林市,南浦市等の都市が発達し,朝鮮民主主義人民共和国の中枢地帯となっている。
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百科事典マイペディア 「大同江」の意味・わかりやすい解説

大同江【だいどうこう】

朝鮮民主主義人民共和国西部の大河。狼林山脈と妙高山脈の間に発源し,平安南道の北東部から南西へ楽浪準平原を流れて黄海に注ぐ。全長439km,おもな支流は沸流江,南江,載寧江。260kmまで船舶が可航。流域には寧遠,徳川順川,平壌,松林,南浦等の都市があり,同国工業地帯の動脈として利用される。
→関連項目広梁湾シャーマン号事件順川南浦平壌楽浪郡

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大同江」の意味・わかりやすい解説

大同江
だいどうこう / テドンカン

朝鮮半島北西部、狼林(ろうりん)山脈中の小白山南麓(なんろく)に源を発し、北西流しながら黄海(朝鮮半島では西海とよぶ)に注ぐ川。全長431キロメートル、流域面積2万0135平方キロメートル。永楽で成竜江を右岸に入れ、西南流してから徳川で馬灘(ばたん)江を合流し、南下して北倉で流路を西方にとる。价川(かいせん)から大曲流しながら南流する。江東で沸流(ふつりゅう)江を入れ、平壌東方で南江、西方で普通江をあわせて水量を増し、河口で載寧江と合流して黄海に注ぐ。流域の地質は上流が花崗片麻(かこうへんま)岩、平壌付近が朝鮮系と大同系が交互に露出しており、下流が沖積層である。流域の年降水量は1000ミリメートルで、その58.8%の106億立方メートルは海に流れる。この流域には平南、岐陽の二大灌漑(かんがい)用水があり、約8万平方キロメートルの水田や畑を潤している。大同江にはボラ、コイ、ナマズなどの水産資源も豊富である。

[魚 塘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大同江」の意味・わかりやすい解説

大同江
だいどうこう

テドン(大同)江」のページをご覧ください。

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