大和(市)(読み)やまと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大和(市)」の意味・わかりやすい解説

大和(市)
やまと

神奈川県中央部、横浜市の西に接する市。1959年(昭和34)市制施行。2000年(平成12)特例市に移行(2015年施行時特例市に名称変更)。相模(さがみ)鉄道、小田急電鉄江ノ島線、東急電鉄田園都市線、国道16号・246号・467号が通じる。相模原台地の東部にあたり、境(さかい)川と引地(ひきじ)川が流れるが、水利に恵まれない乾燥地が広がる。中世初期には鎌倉と北関東を結ぶ鎌倉街道が南北に、近世には北部の平地林の中に東海道の脇(わき)往還の矢倉沢(やぐらさわ)往還が通じていたが、市域宿場は設けられなかった。幕末期から生糸輸出の活況に伴って養蚕が盛んになり、桑畑が広がった。1942年(昭和17)海軍工廠(こうしょう)や航空隊基地が設けられ、第二次世界大戦後、それらはアメリカ軍の厚木基地(一部は綾瀬(あやせ)市)となり、1971年以降は自衛隊との日米共同使用基地となっている。1955年ごろから工場の進出が増え、横浜(一部は東京)への通勤者向け住宅団地の建設が相次ぎ、都市化が急速に進みつつあるが、野菜栽培の近郊農業も行われ、工農住宅都市となっている。草柳(そうやぎ)のシラカシ林は相模原おもかげを残す自然林(県指定天然記念物)で、周辺は緑地公園「泉の森」として整備されている。面積27.09平方キロメートル、人口23万9169(2020)。

[浅香幸雄]

『『大和市史』全8巻(1978~2002・大和市)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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