大林組(株)(読み)おおばやしぐみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大林組(株)」の意味・わかりやすい解説

大林組(株)
おおばやしぐみ

関西に強い地盤をもつ建設業界の大手企業。1892年(明治25)大林芳五郎(1864―1916)の個人事業として大阪で創業、1909年合資会社となる。1911年に東京中央停車場(現東京駅丸の内駅舎)工事と大阪電気軌道(現近畿日本鉄道)の生駒隧道(いこまずいどう)工事を受注、大工事と難工事を完成し、高く評価された。1918年(大正7)に株式会社大林組となり、23年の関東大震災時には、同社施工の東京駅や日本興業銀行本店ビル(現みずほコーポレート銀行本店ビル)には損傷がなく、評価を高めた。第二次世界大戦後の復興過程では、進駐軍関係の工事が多く、沖縄米軍基地工事では、アメリカ式の機械化工法を経験した。1960年代に入り、建設需要が拡大して工事の規模も巨大化し、65年(昭和40)に技術研究所を開設。1962年、本店に海外工事部を設置し、東南アジア方面での工事を展開、その後、世界各地に海外工事を拡大した。1973年に西日本初の超高層ビルの大阪大林ビルを竣工(しゅんこう)、近年は関西国際空港、明石(あかし)海峡大橋、東京湾横断道路などの大型ナショナル・プロジェクトにも携わっている。資本金578億円(2008)。売上高は1兆3883億円(2008)で、建築75%、土木21%、不動産4%。

[中村青志]

『大林組社史編集委員会編『大林組百年史 1892―1991』2冊(1993・大林組)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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