大森虎之助(読み)おおもり・とらのすけ

朝日日本歴史人物事典 「大森虎之助」の解説

大森虎之助

没年:大正10.11.26(1921)
生年明治3?(1870)
明治大正期の気象学者。明治20(1887)年,18歳で秋田測候所に出仕,25年に富山県伏木測候所に配置換えになり,のち所長蜃気楼の研究などで優れた業績を残したが,大正10(1921)年11月に台風来襲,迷走して各地に甚大な被害を与え,北陸地方にもおよんだ際に,その予報に失敗した責任を感じて,海に入水の上自死した。のちに新田次郎が『迷走台風』という小説で大森を扱って有名になった。

(村上陽一郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大森虎之助」の解説

大森虎之助 おおもり-とらのすけ

1870*-1921 明治-大正時代の気象技術官。
明治2年12月27日生まれ。18年秋田測候所に採用される。25年富山県伏木測候所にうつり所長となる。大正10年9月26日の台風が迷走して,全国各地におおきな被害をあたえた際,その予報に失敗した責任をとり同年11月16日自殺した。53歳。羽後(うご)(秋田県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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