大深度地下利用(読み)だいしんどちかりよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大深度地下利用」の意味・わかりやすい解説

大深度地下利用
だいしんどちかりよう

土地所有者が使わない、地下40メートルよりも深い部分の空間を有効利用しようというもの。バブル経済期に用地費が高騰したことから注目された。1998年(平成10)5月に臨時大深度地下利用調査会(首相諮問機関)が、鉄道道路河川、電気、ガス、通信、水道など公的目的で利用する場合は、原則として土地所有者の許可や土地収用手続を踏まなくても、優先して使用できるとする答申をまとめ、2000年5月には「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」が成立(平成12年法律第87号)、2001年4月に施行された。バブル期にだされた計画はほとんどが立ち消えになり、2007年6月の神戸市大容量送水管整備事業が、初の同法適用例となった。2009年4月現在、首都圏外郭環状道路での適用が予定されている。またリニアモーターカーによる中央新幹線構想などが関連事業としてあがっている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android