大清会典(読み)ダイシンカイテン(英語表記)Dà Qīng huì diǎn

デジタル大辞泉 「大清会典」の意味・読み・例文・類語

だいしんかいてん〔ダイシンクワイテン〕【大清会典】

中国代の総合法典。清朝制度典礼を集めたもので、勅命によって編纂へんさんされた。康熙こうき会典(全162巻)、雍正ようせい会典(全250巻)、乾隆けんりゅう会典(全281巻)、嘉慶会典(全1142巻)、光緒会典(全1590巻)の5種からなる。だいしんえてん。

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精選版 日本国語大辞典 「大清会典」の意味・読み・例文・類語

だいしんかいてん ダイシンクヮイテン【大清会典】

中国、清の総合法典。「康熙会典」(伊桑阿ら奉勅撰。一六二巻)をはじめ五種編纂された。清朝の制度、典礼を宗人府内閣順天府などの項目分類して記載する。だいしんえてん。

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改訂新版 世界大百科事典 「大清会典」の意味・わかりやすい解説

大清会典 (だいしんかいてん)
Dà Qīng huì diǎn

中国,清朝の基本法典の一つ。清代を通じて5回編纂された。(1)《康煕会典》162巻(1690),(2)《雍正会典》250巻(1732),(3)《乾隆会典》100巻(1764),(4)《嘉慶会典》80巻(1818),(5)《光緒会典》100巻(1899)。会典は行政に関する基本法の総合的法典で,その本文は容易に変更されないが,施行例および細則である事例(または則例)は時代とともに変更,追加されることが少なくなかった。康煕・雍正両会典では事例も会典にふくまれたが,以後は事例を会典本文から分離し(《乾隆会典則例》180巻,《嘉慶会典事例》920巻,《光緒会典事例》1220巻),また嘉慶・光緒両会典には会典図を付している(《嘉慶会典図》132巻,《光緒会典図》270巻)。事例(則例)は各官庁の文冊や賦役全書,学政全書,中枢政考,大清律例,六部則例等の文書による。会典の編成は各官庁別に宗人府,内閣,吏部以下の六部,盛京五部,理藩院……となっている。《嘉慶会典》から以後は内容の分類・順序を改め,規定を簡略化し,また本文に割注をほどこすなど改訂を加え,《光緒会典》では総理各国事務衙門のような清末新設の官庁を記入している。漢文・満文2種の会典がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大清会典」の意味・わかりやすい解説

大清会典
だいしんかいてん
Da-qing hui-dian; Ta-ch`ing hui-tien

中国,清代に編纂された行政上の大綱を示した総合法典。康煕 29 (1690) 年の『康煕会典』 (162巻) ,雍正 11 (1733) 年の『雍正会典』 (250巻) ,乾隆 28 (63) 年の『乾隆会典』 (100巻) ,嘉慶 23 (1818) 年の『嘉慶会典』 (80巻) ,光緒 25 (99) 年の『光緒会典』 (100巻) の5会典がある。『康煕会典』は『大明会典』の例にならい,法典とその実施の事例を合せて編纂した。また『雍正会典』も同様であるが,『乾隆会典』からは実施の事例は会典とは別に則例,事例として編纂された。すなわち『乾隆会典』には『会典則例』 (180巻) ,『嘉慶会典』には『会典図』 (132巻) ,『会典事例』 (920巻) ,『光緒会典』には『会典図』 (270巻) ,『会典事例』 (1220巻) が,別に加えられている。

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世界大百科事典(旧版)内の大清会典の言及

【会典】より

…そしてこの形式は,宋・元にもある程度うけつがれ,明・清にいたって〈会典〉となった。明代では《大明会典》(略称《正徳会典》,1509)とこれを増修した《重修大明会典》(俗称《万暦会典》,1587)がこれであり,清代では《康熙会典》(1690),《雍正会典》(1732),《乾隆会典》(1764),《嘉慶会典》(1812),《光緒会典》(1899)の5種の《大清会典》がある。なお,李氏朝鮮の《経国大典》(1471)やベトナムの《大南会典》などもこの形式によっている。…

※「大清会典」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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