大船渡(読み)おおふなと

精選版 日本国語大辞典 「大船渡」の意味・読み・例文・類語

おおふなと おほふなと【大船渡】

岩手県南東部、大船渡湾に面する地名。旧城下町。天然良港をもち、臨海工業地区が発達陸中海岸国立公園一部。昭和二七年(一九五二市制

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デジタル大辞泉 「大船渡」の意味・読み・例文・類語

おおふなと〔おほふなと〕【大船渡】

岩手県南東部の市。陸中海岸の大船渡湾に面し、臨海部は工業地。水産加工業も盛ん。碁石海岸などの景勝地がある。人口4.1万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「大船渡」の意味・わかりやすい解説

大船渡[市] (おおふなと)

岩手県南東部の市。2001年11月旧大船渡市が三陸(さんりく)町を編入して成立した。人口4万0737(2010)。2011年3月の東日本大震災では,死者行方不明461人,全壊住宅3630戸にのぼった。

大船渡市西部の旧市。大船渡湾に臨む。1952年に大船渡,盛(さかり)の2町と,末崎,赤崎,猪川,立根(たつこん),日頃市の5村が合体して市制。人口3万6570(2000)。市街地は細長く入り込んだ大船渡湾および盛川西岸に沿って立地する。後背地には約40億tと推定される石灰岩・蛇紋岩を有し,1934年の大船渡線開通直後に,東岸の赤崎に小野田セメント(現,太平洋セメント)大船渡工場が誘致された。窯業・土石製品工業の製造品出荷額は市の工業の5割以上(1995)を占めている。60年に1万t岸壁が完成し,これと接続して盛川筋の埋立てによって木工関連工場などが立地,さらに西岸には漁港・魚市場を中心に冷凍・加工諸施設が整備され,漁業基地としても重要な地位を占める。60年のチリ地震津波によって大被害をうけたが,その後,臨海工業都市として復興している。陸中海岸国立公園の南玄関口にあたり,末崎半島の碁石海岸や桃山時代の建築美を残す日頃市の長安寺などがあり,県立自然公園五葉山とともに観光客が多い。JR大船渡線が通り,盛は三陸鉄道南リアス線の起点となる。
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大船渡市東部の旧町。旧気仙(けせん)郡所属。1956年綾里(りようり),越喜来(おつきらい),吉浜よしはま)の3村が合体して三陸村となり,67年町制。人口8590(2000)。三陸海岸の綾里湾,越喜来湾,吉浜湾に臨み,北は釜石市,西は旧大船渡市に接する。北上高地の支脈が海岸までのび,海岸線は典型的なリアス海岸をなす。水産業が主産業で,ホタテガイ,ホヤ,ワカメの養殖,ブリ定置網漁業などが行われ,吉浜(きつぴん)アワビはよく知られる。木材シイタケなどの生産も多い。気象庁気象ロケット観測所(2001年廃止),宇宙科学研究所三陸大気球観測所(07年廃止),東北大学三陸地殻変動観測所(現,三陸地震観測所),北里大学水産学部(現,海洋生命科学部)などの研究施設が開設され,〈科学の町〉として発展した。海岸部は陸中海岸国立公園に指定され,三陸鉄道南リアス線,国道45号線が通る。
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