大葉子(読み)オオバコ

デジタル大辞泉 「大葉子」の意味・読み・例文・類語

おおば‐こ〔おほば‐〕【大葉子/車草】

オオバコ科多年草道端などの踏み固められた所に生える。葉は楕円形で長い柄があり、根際から出る。春から秋、10~20センチの花茎を伸ばし、多数の小花を穂状につける。漢方では種子車前子しゃぜんし、葉を車前葉といい、薬用若葉食用おばこ。おんばこ。かえるば。 秋》「―や常着の袖のけふ短かに/桂郎」

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朝日日本歴史人物事典 「大葉子」の解説

大葉子

生年生没年不詳
百済系の調吉士伊企儺の妻。『日本書紀』欽明天皇23(562)年の条によると,任那を滅ぼした新羅を征討するために大将軍紀男麻呂,副将河辺瓊缶の指揮下,夫と共に従軍した。瓊缶が戦法に無知で,降伏の印と知らず白旗を掲げて進軍したため,混乱の末敗れ,瓊缶は捕虜となったが,伊企儺は従わなかった。新羅の将は,伊企儺の袴を脱がせ,尻を日本に向けて「日本の将,我が〓〓を噛へ」といわせようとしたが,伊企儺は「新羅の王,我が〓〓を啗へ」と絶叫して殺害される。大葉子も共に捕虜となり,夫の死を悲しんだという。大葉子はそのときに「韓国の城の上に立ちて大葉子は領巾振らすも日本へ向きて」と歌った。人々は唱和して「韓国の城の上に立たし大葉子は領巾振らす見ゆ難波へ向きて」と歌った。この記事などから女性も従軍していたことがわかる。

(小林茂文)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大葉子」の解説

大葉子 おおばこ

?-? 6世紀中ごろの女性。
欽明(きんめい)天皇23年(562)紀男麻呂(きの-おまろ)を大将軍として新羅(しらぎ)(朝鮮)とたたかったとき,夫の調伊企儺(つきの-いきな)とともに従軍。ともに新羅の捕虜となり,夫が殺されたことを知って,日本をこいしくおもう歌をうたい,かなしんだという。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「大葉子」の解説

大葉子 (オオバコ・オバコ;オンバク;オンバコ)

学名:Plantago asiatica
植物。オオバコ科の多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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