大門(遊廓)(読み)おおもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大門(遊廓)」の意味・わかりやすい解説

大門(遊廓)
おおもん

城郭表門をいうが、普通、江戸時代の遊廓(ゆうかく)に出入りする門をよぶ。明暦(めいれき)の大火(1657)で江戸・日本橋から移転した新吉原(よしわら)の大門は、内側左に番所、右に会所があった。番所には町奉行(ぶぎょう)所の与力、同心、会所には番人楼主交代で詰めて、月行事に携わったり廓(くるわ)内の事務を処理するとともに遊女逃亡などを監視した。早朝から夜10時まで開かれたが、普段は大門以外は通行できず、廓内で事故発生の場合には大門も閉じた。

[佐藤農人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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