天気予報(読み)てんきよほう(英語表記)weather forecast

翻訳|weather forecast

精選版 日本国語大辞典 「天気予報」の意味・読み・例文・類語

てんき‐よほう【天気予報】

〘名〙
① 将来のある期間におけるある地域の天気を予報すること。期間によって短期予報・週間予報・長期予報など、また目的によって航空気象予報・船舶気象予報・農業気象予報などがある。
※時事新報‐明治二一年(1888)四月一七日「毎日時事新報欄外に掲載する天気予報は」
② (「天気予報」ははずれやすいところから) あまりあてにならない予想や予言。

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デジタル大辞泉 「天気予報」の意味・読み・例文・類語

てんき‐よほう【天気予報】

ある地域の天気の変化を予測し、知らせること。明後日までの短期予報のほか、週間天気予報長期予報がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天気予報」の意味・わかりやすい解説

天気予報
てんきよほう
weather forecast
weather forecasting

ある地域または海域、空域の気象状態を予測し発表すること。気象官署の行う天気予報は予測する期間により、短期予報、週間予報、1か月予報、3か月予報、季節予報などに分けられ、それぞれ方法も内容も異なる。また、天気予報は用途によって一般予報と特殊予報に分けられる。

 短期予報は明後日までの予報をいい、とくに目先数時間ぐらいまでの予報を短時間予報という。週間予報は文字どおり7日間の予報であるが、これを延長予報extended forecastとか中期予報medium-range forecastとよぶことがある。1か月予報、3か月予報、季節予報は長期予報long-range forecastという。また1年から10年またはそれ以上の予報を超長期予報super long-range forecastという。特殊予報には鉄道気象通報、電力気象通報、海上気象通報、航空気象通報、洪水予報、雷雨予報、農業気象予報(降霜予報など)、大気汚染気象予報などがある。防災を目的とした注意報、警報も広義の天気予報に含まれる。また表現形式によって、量的予報、確率予報、分布予報、時系列予報などがある。

[倉嶋 厚・青木 孝]

天気予報の基礎となる考え方

天気予報の方法は、その考え方の深さによって、次の段階に分けられる。

(1)現象論的段階 天気俚諺(りげん)(天気についての言い伝え)や観天望気(空のようすを見て将来の天気を予想すること)による天気予報は、自然現象の構造や本質を知らないで、単に、ある現象が現れたら次にはこういう現象が現れることが多いという「前例の原理」または「繰り返しの原理」に基づいて行われるものである。このような段階を現象論的段階という。天気の持続性、周期性に基づく予報や、類似天気図を使う方法などのほか、統計的に得られた相関関係を利用した予報などは、持続性、周期性、類似性、相関性の構造や本質に立ち入らないで行われるときは、現象論的段階である。等圧線の形と天気分布を形式的に対応させる方法も、この段階に属する。

(2)構造論的段階 高気圧、低気圧、台風、前線、偏西風波動、ジェット気流などの大気の構造を見極めながら、それらの動向によって天気を予報する方法が、この段階に属する。天気図解析を手段とした天気予報、すなわち総観的天気予報はおおむねこの段階に属する。

(3)本質論的段階 大気中の現象の本質を力学的、熱力学的な過程としてとらえ、それを物理学の式で記述し、これに実際の観測資料を当てはめて、将来の大気の状態を計算する数値予報がこの段階に属する。

 以上の各段階の方法は、画然と区別されるのではなく、たとえば現象論的段階でも、それに使われている法則は、実はきわめて本質的な現象を表したものであることがあり、構造論的段階や本質論的段階のものでも、現象論的取扱いの部分があったりする。

[倉嶋 厚・青木 孝]

天気予報の歴史

天気予報の歴史は、観天望気の時代、一地点観測の時代、天気図の時代、数値予報の時代、国際協力と地球観測および高度情報化社会の時代に分けて考えることができる。

〔1〕観天望気の時代 『新約聖書』の「マタイ伝」の第16章に、イエスの「夕べには汝(なんじ)ら、空赤きがゆえに晴れならん、といい、また、あしたには、空赤くして曇るゆえに、きょうは風雨ならん、という。なんじら空の気色を見わくることを知りて、時のしるしを見わくることあたわぬか……」ということばの載っているのをみても、観天望気の試みは、古くからあったことがわかる。

 天気俚諺(りげん)も古くからあり、紀元前300年ごろギリシアのテオフラストス(チランタスTyrantusの名でも知られている)は約200の天気俚諺をつくっているが、そのなかには長期予報、超長期予報に関係するものもある。

〔2〕一地点観測の時代 ルネサンスにおける近代科学の開幕とともに、気圧計、温度計、湿度計などが発明されて気象の観測が定量的なものになり、一地点で観測された気象記録のなかから天気変化の法則性がみいだされ、それが天気予報に利用されるようになった。たとえば気圧計や湿度計の目盛りの上がり下がりが、直接、晴雨に対応すると考えられた。この時代の方法は、観天望気の時代と本質的には同じものであり、現象論的段階に属していた。

〔3〕天気図の時代 各地点で気象観測が行われるようになると、それらを比較することにより、暴風雨のような天気のシステムは、発生し発達しながら移動し消滅するものであることが明らかになり、それを天気図の上に表現して追跡すれば、天気予報ができるという考えが生まれてきた。しかし、広域にわたる気象観測網を維持、経営し、そこで行われる気象観測の結果を短時間に1か所に集めるためには、近代国家の成立、通信の発達など、さまざまの条件を必要とした。したがって天気予報を目的として日々の天気図を作成する仕事は、19世紀の中ごろになって初めて行われるようになった。

 天気図時代の天気予報の特徴の一つは、それが事業として行われ始めたことである。予報とは予想の発表であり、単に予想するだけでなく、その結果を広く人々や関係諸機関、諸産業関係者に知らせるのでなければ予報にならない。天気図の時代になって初めて予想が予報になったのである。

 日々の天気図がつくられるようになると、天気図上に低気圧、台風、高気圧、気団、前線などの、天気分布と天気変化を支配する大気の構造が描き出され、いわゆる総観予報が行われるようになった。そして20世紀に入ってからは高層観測の発展によって、1930年代ごろから日々の高層天気図が作成され始め、指向流、偏西風波動、偏東風波動、ジェット気流などの構造や動きが天気予報に利用されるようになった。

 日本では、1875年(明治8)に気象庁の前身である東京気象台が、東京で初めて気象観測を開始し、その後全国に観測網を展開した。1883年2月16日、東京気象台で初の天気図を作成、3月から毎日印刷・配布されるようになり、同年5月26日同台で初めて暴風警報を発表した。翌1884年6月1日からは同台で毎日3回、全国の天気予報を発表し始めた。

〔4〕数値予報の時代 大気の物理的過程に基礎を置く天気予報の可能性は、第二次世界大戦前にもノルウェーのV・ビャークネスやイギリスのL・F・リチャードソンによって検討されたが、実用的な数値予報が行われ始めたのは1950年代であり、日本の気象庁で数値予報が業務として始まったのは1959年(昭和34)である。この年代に数値予報が始まったのには、
(1)気象現象にさまざまのスケールのものがあり、各スケールの現象を支配する物理法則に相違があることが深く認識され、天気図に描き出されるような総観スケールの現象を支配する法則が、かなり簡単な方程式で表現されたこと(たとえばアメリカのJ・G・チャーニーの『数値予報の研究』1949など)、
(2)多量の計算をきわめて短時間に行うことのできる大型電子計算機ができたこと、
(3)高層観測を含む近代的気象観測網の拡大と、各国気象事業間の国際協力が発展したこと、
などが背景となっている。

〔5〕国際協力と地球観測および高度情報化社会の時代 1977年、日本の静止気象衛星「ひまわり」が天気予報に利用され始めた。また全地球的な気象観測網、資料処理システム、通信網の整備強化を目的とするWWW(世界気象監視)の計画が、WMO(世界気象機関)によって1967年から実施、推進された。さらに1970年代には、大気の運動を深く理解し、天気予報の物理学的基礎を発展させることを目的としたGARP(ガープ)(地球大気開発計画)が、WMOとICSU(国際学術連合会議。現、国際科学会議)の共同企画によって行われ、その後も、多くの国際協力による観測が行われてきた。そして現代の天気予報は、歴史的にみると、〔4〕の初期の数値予報の時代から、〔5〕の国際協力と地球観測および高度情報化社会の時代へ急速に移行している時代である。1990年代には電子計算機の性能の飛躍的進歩、数値予報モデルの改良、情報通信革命の進行により、数値予報による天気予報はその精度が格段に向上し、予報対象区域も細分化され、いわゆる時間的にも空間的にもきめの細かい個別予報が、さまざまな伝達方法により必要とする分野に迅速に伝達されるようになった(たとえば分布予報、時系列予報、民間気象会社の気象予報士の予報など)。また、予報期間の延長も可能になり、週間予報や季節予報も数値予報による予想天気図によって行われるようになった。さらに地球環境情報としての超長期予報が重視され、地球温暖化の将来予測も行われるようになった。

[倉嶋 厚・青木 孝]

天気予報の種類

天気予報には、予測する期間の長さや、その表現形式によりさまざまな種類がある。

(1)短時間予報 雷雨や竜巻、集中豪雨などの現象は水平幅が10キロメートル以下の現象で、それらが組織的に集まったものでも水平幅が100キロメートル程度であり、その構造は通常のスケールの天気図には描き出すことができない。また、その持続時間も数時間であるから、通常の天気図上では追跡することも困難であり、ナウキャスト(短時間予測情報)という方法が行われている。ナウキャストnowcastは、観測された現在nowの状況と直近の気象の変化傾向から1時間程度先までを予報forecastする。ナウキャストには、竜巻などの激しい突風が発生する確度を予報する竜巻発生確度ナウキャストや、雷の激しさや落雷の可能性を予報する雷ナウキャスト、1キロメートル四方ごとの10分間雨量という細かい予報で、局地的な大雨の動向を把握するのに役立てる降水ナウキャストがある。

 さらに、ナウキャストよりも長く6時間先までの1時間雨量を予報する降水短時間予報がある。降水短時間予報は、雨域の移動速度だけでなく、地形による雨雲の発達・衰弱メカニズムが考慮されており、数値予報による予測雨量も加味して作成される。

 各種ナウキャストや降水短時間予報のほかに、気象レーダーやアメダス、解析雨量(気象レーダーと雨量計のデータを組み合わせて計算される雨量分布情報)などを使うことにより、刻々と変化する気象状況が把握できるようになった。このような情報を利用して、2008年(平成20)からは竜巻注意情報が発表されるようになった。これは、従来の雷注意報を補足する情報であり、今まさに竜巻やダウンバーストなどによる激しい突風が発生しやすいことを注意する気象情報である。また、2010年からは市町村を単位とした気象等の警報・注意報が発表されている。それまでは、都道府県をいくつかの地域に分けた区域が対象だったが、警戒が必要な市町村を具体的に明確に示す警報・注意報とすることにより、防災活動や避難行動などに対するさらに効果的な支援情報に改善された。

(2)短期予報 極東天気図、アジア太平洋天気図の上に描き出される高気圧や低気圧や、高層天気図に描き出される偏西風波動の追跡と、それらの発生、発達、衰弱の予想によって行われる。これらの諸現象は水平幅1000~3000キロメートル程度の大きさをもつため、極東またはアジア太平洋天気図に適当な大きさで描き出され、しかもその持続日数は数日以上、進行速度は1日1000キロメートル程度である。したがって、1日1回または数回作成される天気図上で追跡して、その動きを先に延ばしてみるだけでも、かなりの精度の予想天気図をつくることができる。気象学が未発達の時代に気象事業が開始されたのも、大気中にこのスケールの現象が存在していたためである。現在は数値予報の格段の進歩により、24~72時間先の予想天気図が実用的精度で作成されており、それに基づいて今日、明日、明後日などの天気予報が行われている。

(3)延長予報 短期予報で用いる天気図よりも広域の北半球天気図上で、気圧系(高気圧や低気圧、偏西風波動の谷や尾根など)を長期間にわたって追跡することにより行われる。予報の方法としては短期予報を延長したものといえる。このような方法による予報可能期間の限界は2週間程度と考えられている。週間予報も1週間先までのアンサンブル数値予報によって作成されるようになった。週間予報では毎日の天気のほか、降水確率および最高・最低気温(誤差幅付き)、予報の信頼度が発表されている。誤差幅は、約80%の確率で実際に観測される最高気温と最低気温が入る範囲を示す。信頼度は、雨が降るかどうかの予報の精度と予報の変わりやすさをABCの3段階で表わす。Aは明日の天気予報と同じ程度の精度があり、Cのときは予報精度が悪く、翌日の発表時に予報が変わる可能性が大きいことを意味する。

(4)季節予報 向こう1か月間あるいは3か月間の天候と平均的な気温や降水量等の大まかな傾向を予報する。気温と降水量は「低い(少ない)」「平年並」「高い(多い)」の3階級に分けて、それぞれの階級が現れる確率の予報である。いずれも日々の天気ではなく、平均的にみて晴れが多いか雨が多いか、気温は平年より高いか低いか、などというような概略を予報するものである。

 1か月予報は毎週金曜日に発表され、週単位の気温と降水量の確率も予報する。3か月予報は、毎月25日ころに発表され、各月の気温と降水量の確率も予報する。3か月より先の予報には暖候期予報(2月の3か月予報と同時発表)と寒候期予報(9月の3か月予報と同時発表)がある。夏(6~8月)や冬(12~2月)の気温や降水量の確率予報のほか、梅雨期間の降水量や冬の日本海側の雪が多いか少ないか、冷夏か暑夏か、寒冬か暖冬か、などが予報される。

 季節予報は、相関法や周期法、類似法など現象論的段階や構造論的段階の時代が長かったが、すでに数値予報が適用される本質的段階への移行が終了している。すなわち、アンサンブル予報が基本的な予報資料であり、3か月予報や暖候期予報、寒候期予報には大気海洋結合モデルも導入されている。

(5)超長期予報 1年から10年あるいはそれ以上の超長期予報は、世界のどの国でも正式には行われていない。しかし地球の気候は、たとえば氷期、間氷期のような1万年の時間スケールのものから、数年から数百年の時間スケールの寒冷化、温暖化、湿潤化、乾燥化のような、さまざまなスケールの変動をおこしており、それが人類の生存条件に大きな影響を及ぼしている。したがって、現在の地球の気候が、気候変動のどの位相にあり、将来どのような方向に変化するのか、またそれに伴い世界各地の気象はどのようになるのか、という予測は人類にとって重要な意味をもっており、論拠のしっかりした超長期予報が各方面から望まれている。とくに注目されている気候変動に、北半球の高緯度帯を中心におこった1920年ごろから1940年ごろにかけての顕著な温暖化と、1940年ごろから1970年ごろにかけての寒冷化、そしてその後の寒冷化の停滞と温暖化への反転、さらにその後の全地球規模での下層大気の顕著な温暖化と成層圏の寒冷化がある。世界各地の寒波、熱波、大雨、干魃(かんばつ)などの異常天候の頻発も、この気候変動に関連するものと考えられている。

 気候変動問題のなかでとくに関心の寄せられているものの一つに、人間活動による気候変動の長期的見通しがある。1979年にWMOが中心となって開催された世界気候会議は、「大気中の二酸化炭素濃度がこのまま増加し続ければ、地球大気の気温は徐々に上昇して、今世紀末までには気候変動が検出可能になり、来世紀中ごろまでには著しい気候変動がおこるかもしれない」と宣言し、注意を喚起した。さらにWMOは世界気候計画(WCP)を作成し、関係各国際機関と協力して気候変動の問題と取り組んできている。そしてWMOと国連環境計画(UNEP)により、1988年に「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が設置され、地球温暖化の実態の把握および予測、社会・経済・生態系などへの評価を行うことになった。その第一次報告書は1990年に発表され「気候変動に関する国際連合枠組条約」(気候変動枠組み条約)の締結に大きな役割を演じた。1995年にまとめられたIPCCの第二次報告書では、初めて「人間活動による地球の温暖化」について指摘した。2001年の第三次報告書では「過去100年間の温暖化傾向は異常であり、自然起源の現象である可能性はきわめて低い」と、温暖化に対する人為的影響に確信を強めた論調となった。さらに2007年には第四次報告書が発表された。そのなかで「温暖化は疑う余地がなく、人為起源の温室効果ガスの増加による可能性が非常に高い」また「21世紀にはさらに大規模な温暖化がもたらされる」「強い台風やハリケーンの発生が多くなり、猛暑日や集中豪雨なども増加する」と、第四次報告書は具体的に経過と今後の見通しについて言及した。次の第五次報告書は、2013~2014年に公表が予定されている。第五次報告書では、さらに精度がよく信頼性の高い気候予測を、100年後だけでなく、2300年までの長期気候変動や近未来の20~30年後の気候にも重点をおくなど、気候の変動に対する適応策や緩和策に役立てるために研究が進められている。

(6)確率予報 ある特定の現象のおこる可能性の程度を予報する形式を確率予報という。天気予報や季節予報は的中率100%ではないので、その精度や信頼度を表現するために確率を用いている。日本では1980年6月1日から東京地方に対して降水確率予報が行われ始め、その後、段階的に予報対象地域が全国に拡大された。降水確率予報は、ある地点において、ある時間帯に1ミリメートル以上の降水のおこる確率を予報するもので、その時間帯に連続して降るか、一時降るかの区別はしていない。降水確率は、数値予報によって理論的、客観的に予測された大気の状態のうち、上空の風とか水蒸気の量など降水の有無を決めるさまざまの要素を取り出し、過去に同じような状態が予測されたときに実際に降った場合が何%あったかの値を調べ、これを統計式にして求める。確率予報は降水現象だけでなく、たとえばある地点またはある地域で、ある時間帯に毎秒10メートル以上の風の吹く確率、雷がおこる確率、あるいは同じ降水現象でも1ミリメートル以上ではなく、1時間20ミリメートル以上の降水のおこる確率というように、さまざまの事象を特定して行うことが可能である。季節予報では、気温や降水量について「低い(少ない)」「平年並」「高い(多い)」の三つの階級を対象に、それぞれの階級の出現が予想される確率を予報している。また、台風の暴風域に入る確率予報もある。これは、ある地域が台風の暴風域に入る可能性について72時間先までの3時間ごとの確率の予報である。確率がしだいに大きくなる場合には接近しつつある台風の暴風域に入る恐れが大きくなっていることを示している。また、暴風域に入る確率の予報値の時間変化をみることによって、台風がもっとも接近する時間帯を知ることもできる。

(7)天気分布予報 この予報は1996年から開始された。これは全国を約20キロメートル四方で約1500の地域に細分し、天気、降水量、気温を3時間ごとに24時間先まで、また最高・最低気温の分布を予報するものである。冬季には降雪量の分布予報も発表される。

(8)地域時系列予報 これも1996年から開始されたもので、各都道府県内の代表的な1~4地域を対象に、3時間ごとの天気や気温、風向風速の推移を24時間先(17時発表は30時間先)まで予報する。

 上述の各種の予報は利用者にオンラインで提供され、利用者側がニーズに応じた独自の編集をすることが可能となり、テレビなどで図形で表示されるようになった。また、これらの予報を作成するための予測資料も民間天気会社などにオンラインで配信されることから、気象予報士などが、さらにきめの細かい個別的な予報をすることが可能になった。

[倉嶋 厚・青木 孝]

天気予報の的中率

天気予報の成績評価は、簡単なようで、案外に複雑な問題を含んでいる。たとえば、ここにA、Bの2名の予報官がいて、ある晴天の日に、明日、明後日に対して予報を出したとする。Aは天気図上に変化の兆しをみいださず、現在の晴天が続くと考えて「明日、晴れ」「明後日、晴れ」と予報した。Bは低気圧発生の兆しをみつけ、それが通るのを明後日と予測して「明日、晴れ」「明後日、雨」と出した。ところが実際には、低気圧の動きが早く、第1日目が雨、第2日目が晴れになってしまった。この場合、Aの成績は第1日目0点、第2日目100点で、平均50点である。一方、Bは第1日目0点、第2日目0点、平均0点であり、AのほうがBよりも成績がよくなる。しかしAは低気圧の発生とそれによる雨の可能性を思ってもみなかったのに、Bは低気圧の通る「時刻の判断」に誤りがあったが、少なくとも2日以内に雨の降る可能性を事前に予想した。Aがとった50点は向上の見込みのない50点であり、Bがとった0点は100点に向上しうる「見込みのある0点」である。

 別の例をあげると、雨が降り続いているときに、「明日は晴れ」と出した予報が、実際には「曇り」だったとする。青空の下での野外ロケーションを予定していた映画監督は「天気予報は0点だ」というであろうが、雨さえ降らなければよいと思っていた球場経営者は60点ぐらいはやってもよいと思うかもしれない。このように天気予報の採点は、技術的難易の観点や利用者の立場によって異なってくる。

 天気予報の技能評価の方法として、スキル・スコアskill scoreがある。これは、偶然による的中数を引いた、純粋に技術によって的中した成績を評価するもので、

で計算される。ここでSはスキル・スコア、Fは的中した回数、Tは予報を出した総回数、Dは気候学的的中数である。


ここでC1は晴れの予報回数、C2は雨の予報回数、R1は晴れの実況数、R2は雨の実況数である。

 もっと簡単な採点法は、採点表による方法で、これは、以下に示す点数を基本にして、予報と実況との対照による点数をあらかじめ細かく決めておくものである。

●天気予報の採点基準
〔予報・晴れ〕
  実況 晴れ 100点
     曇り  60点
     雨   0点
     雪   0点
〔予報・曇り〕
  実況 晴れ  60点
     曇り 100点
     雨   44点
     雪   44点
〔予報・雨〕
  実況 晴れ  0点
     曇り  44点
     雨  100点
     雪   70点
〔予報・雪〕
  実況 晴れ  0点
     曇り  44点
     雨   70点
     雪  100点
 この採点基準(採点表)を用いて採点した結果によると、今夜の予報が81点、明日が78点、明後日が75点ぐらいになり、また天気の安定する夏や冬に成績がよく、天気の変わりやすい春、秋、梅雨期に成績が悪い。

 なお日々の降水確率予報の有用性の誤差を表現するには、次式のブライヤー・スコアBrier scoreが用いられる。

  Brier score=(POBS-PFCT)2
ここにPOBSは、実際に降水のあったときを1、なかったときを0とし、PFCTは予報された降水確率を小数で表現した値を用いる。この値が小さいほど、確率予報は、その信頼度も分解能もよいことになる。

[倉嶋 厚・青木 孝]

『高橋浩一郎著『天気予報の科学』(1980・NHKブックス)』『増田善信著『数値予報――その理論と実際』(1981・東京堂出版)』『新田尚著『天気と予測可能性――ひとつの天気予報論』(1982・東京堂出版)』『岡村存著『天気予報はどこまで正確にできるか』(1993・森北出版)』『新田尚著『気象情報の読み方・使い方』(1995・オーム社)』『下山紀夫著『気象予報のための天気図のみかた』(1998・東京堂出版)』『立平良三著『気象予報による意思決定――不確実情報の経済価値』(1999・東京堂出版)』『気象庁編『今日の気象業務』平成12年版(大蔵省印刷局)』『気象庁編『気象庁ガイドブック2010』(2010・気象業務支援センター)』『気象庁編『気象業務はいま』(2010・研精堂印刷)』

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改訂新版 世界大百科事典 「天気予報」の意味・わかりやすい解説

天気予報 (てんきよほう)
weather cast
weather forecast

天気の変化は生活にいろいろな影響を与えるので,それをあらかじめ予想し,対策を立てることが望まれる。これに応じ,天気の変化を予測して知らせることが天気予報である。天気予報には予報期間によってここ一両日の天気を予報する短期予報,1週間先までの毎日の天気を予報する週間予報,1ヵ月,3ヵ月先までのおおよその天気の推移を予報する1ヵ月予報,3ヵ月予報,来る夏や冬の天候を予報する季節予報がある。1ヵ月以上の予報を総称して長期予報という。また,災害が起こりそうなときに出す気象注意報や気象警報も広義には天気予報の一種である。しかし,一般にはここ一両日の天気の予報のことを天気予報とすることが多い。

むかしの人は観天望気といって,空の雲や風の状態などを観察し,それから天気の変化を予測した。〈山に笠雲がかかると雨〉〈夕焼けは晴れ〉〈北東風は天気が悪い〉などというように,天気に関する経験をまとめたものが天気俚諺(りげん)である。17世紀初頭にG.ガリレイが温度計を,1643年にその弟子E.トリチェリが気圧計を発明し,気象測器による気象観測が始まった。O.vonゲーリケは気圧が下がると暴風が来ることを知り,1660年12月6日初めて気圧計による暴風襲来の予報に成功した。その後,交通,通信の発達により,各地の気象観測データを集めることが可能になり,ドイツのH.W.ブランデスは初めて天気図を作った。1854年クリミア戦争のとき,黒海にいたフランス戦艦アンリ4世号が暴風に襲われ沈没した。パリ天文台長U.J.J.ルベリエが調べたところ,この暴風はイベリア半島で発生し,東へ移動していったものであり,定期的に天気図を作り,変化を追跡していけば,この暴風の襲来が予測できて被害をまぬがれただろうということがわかった。これが近代的な天気予報の始まるきっかけとなった。フランスでは1858年に天気図による天気予報が始められ,それが各国に広がった。日本では1883年E.クニッピングの尽力で初めて天気図が作られ,同年5月26日には最初の暴風警報が出され,84年6月1日からは日々の天気予報が出されるようになった。

 その後,天気図による天気予報の技術はしだいに進歩し,1919年にはノルウェーのJ.A.B.ビャークネスが低気圧波動論を提唱し,気団や前線などの概念が生まれた。第2次大戦のころを境とし,天気予報の技術はさらに大きく進んだ。ラジオゾンデによる高層気象観測が各地で行われ始め,大気の立体解析ができるようになった。また,気象レーダーが発明され,半径300kmくらいの雨域がブラウン管に写るようになり,雨域の移動や,雨域のらせん状の形から台風の移動などもすぐに観測できるようになった。

 1960年,アメリカは世界最初の気象衛星TIROS(タイロス)を打ち上げ,非常に広い範囲の天気の状況が常時監視できるようになった。74年には日本でも静止気象衛星〈ひまわり〉を東経140°の赤道上3万6000kmに打ち上げた。これにより,天気図によって間接的に見ていた低気圧などの構造を直接見ることが可能になり,雲画像の変化から天気の変化を予測することができるようになった。

 もう一つの重要な進歩は,数値予報の開発である。天気図による天気予報では,低気圧,高気圧,前線などの動きをのばし,将来の気圧配置を予想し,それによって天気の変化を推定する。しかし,天気の変化は物理学や化学の法則にしばられた現象であるから,初期の気象観測の結果から出発し,大気の運動方程式やエネルギー方程式を用い,将来の気象状況が計算できるはずである。1949年,アメリカのJ.G.チャーニーが数値予報に初めて成功した。数値予報には膨大な計算が必要であるが,それを可能にするコンピューターの発達に伴って,数値予報の技術も進歩し,今日では日々の天気予報の重要な基礎となっている。

天気を予測する方法は,時代とともに変わり,また場合によって異なる。かつては,天気は西から東へ移動するという経験則と等圧線型によって天気予報が行われた。現在では,まず将来の地上,高層の気圧配置を補外または数値予報方式で予想し,それから天気を判断するという方針をとっている。これは,一般に気圧配置はスケールが大きく,変化が規則正しいので予想しやすいが,天気はスケールが小さく,地形などの影響を大きく受けて変わりやすく,長時間先の予測が難しいため,気圧配置と各地の天気との関連から天気を予測しようとするのである。予想された気圧配置から各地の天気を判断するためには,おもな気圧配置の場合の天気の分布状況を調べておくことが必要である。これを天気図型といっている。冬に多い西高東低型または冬型,夏に多い南高北低型または夏型,梅雨のころに多い梅雨型,春や秋のころに多い移動性高気圧型,春先などに多い東シナ海低気圧型,秋に多い北東気流型などがその例である。

 なお,予想天気図から天気を判断する場合には,あらかじめ過去の観測を統計的に分析し,関係式をつくっておいて,それによって判断することもある。これを客観的予報といっている。また,天気予報はふつう,〈北の風晴,気温は高い〉というように,定性的な表現をとることが多いが,風速は毎秒何m,気温は何℃,湿度は何%と定量的に予測することもあり,これを量的予報といっている。数量的なので,目的によっては利用価値が大きい。

 天気の予測には高層天気図も重要である。天気や低気圧などは,高層大気の大きな流れにのって移動する傾向があり,これをステアリングsteeringとよんでいる。台風の移動を予測する場合などには,このステアリングが利用され,500hPaの高層天気図などが用いられる(図1)。

 なお,予報の期間によって天気予報の方法は違ってくる。長期予報では,5日平均,1ヵ月平均の天気図が用いられ,周期性を利用した方法,統計的な方法などがおもに用いられる。

天気予報はいろいろの計画の参考として出されるもので,気象台でつくられた予報文がなるべく早く周知されることが必要である。明治のころは,天気予報の旗を出すとか,新聞によって知らせるという方法しかなかったが,1925年からはラジオ放送が始まり,天気予報も放送されるようになったので短時間に広い範囲に届くようになり,価値が大きくなった。さらに53年からはテレビ放送が始まり,天気図なども最新のものが見られるようになった。天気予報は適中率の高いことが望まれるが,完全に適中する予報を出すことは不可能で,天気予報を利用する場合にはそのことを心得ておく必要がある。

 予報の成績は,気候的な適中率,例えば夏は晴の日が多いとか,冬の日本海側は雪の日が続くといった自然的な適中率を差し引いて技能点を出す方法,また,社会の受け取る感じを参考にして,晴と予報して晴なら100点,曇なら60点,雨なら0点というような基準をもとに細かい採点表をつくり,予報と実況を比較する採点法などがある。短期予報の成績は,夏と冬は良く,春と秋は比較的悪い。とくに梅雨季は前線帯の強弱や位置のわずかのずれでまったく天気が違うことがあり成績が悪い。現状では採点法で月平均85点以上の成績を常に保つことは難しい。

 天気予報の価値は,適中率だけで決まるものではなく,利用の形態も大きく関係する。船舶が台風を避ける場合,避航にはあまり経費がかからないので,台風の予報の適中率が高くなくても,予報に従って避航すれば遭難を避けることができ,大きな利益になる。しかし,台風の被害を防ぐのに大きな費用を必要とする場合,予報がはずれるとむだな費用を支出することになるので,適中率が低いときには予報を利用するとかえって損になる。すなわち,天気予報を利用する場合の条件次第で,同じ適中率の天気予報でも利用したほうが得な場合と損な場合がある。1980年6月から1mm以上の降水が起こる確率を表現した降水確率予報が始められたのはこのためである。また,台風の進路予報の誤差は,予想進路の範囲を2本の線で示し,例えば12時間後とか24時間後に達する位置を弧状の線で示していたが,82年6月からは,一定の時間後の最も確からしい予想位置を×印で示し,誤差をこの点を中心とする円で示すようになった。これを予報円という。さらに86年6月からは予報円の周囲に暴風警戒域を実線の円で示し,予報円は点線で表示し,予報円の中心は示さないことになった。なお,予報円は誤差の程度を示すもので,3回に1回くらいは台風の中心がその外に出ることもある。

 天気予報の内容は利用する目的によって違い,一般への天気予報は気象台で出し,特殊な目的に応じた天気予報は民間の気象会社が出すことができる。

昔の天気予報では1人で観測し,経験をもとに1人で予測していたが,近代的な天気予報では,各地で気象観測をし,それを集めて天気図をつくるので,多くの人が共同して組織的に行う必要がある。また,近年は大型コンピューターや気象衛星など多額の経費,多くの専門家を必要とする設備も使われるので,天気予報の仕事も,国内だけではなく国際的に分業化されるようになっている。ジュネーブには国連の世界気象機関(WMO)があり,ここで各国が協定し,観測の方法,時刻,観測結果を交換する電報の形式,天気図の記入形式などをきめている。さらに世界気象監視計画が立てられ,観測結果を交換する通信網,集まった気象電報を整理してまとめて放送したり解析された天気図をファクシミリで放送する中枢などがきめられ,天気予報を国際的に組織化して行うようになっている。東京の気象庁はアジアの一つの中枢になっている。日本の天気予報の仕事の中心は気象庁にあり,日本各地で観測された資料のみならず,世界各地の資料も入ってきており,さらに船や飛行機からの観測資料,気象衛星の観測資料も無線やテレタイプなどによって入ってくる。これらは整理され,無線やテレタイプで放送される。また,入ってきた資料をもとにして各種の天気図や予想天気図がつくられ,ファクシミリで放送される。地方気象台などでは,これらの放送を受け,その地方の気象的な特性や,その地方への影響などを考えて天気予報をつくり,報道機関などを通じて一般に知らせる。また,台風などが接近して災害の発生するおそれがあるときは,気象注意報や気象警報を出し,都道府県庁などの公共機関に電話などで知らせる。図2はこのもようを概念図である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天気予報」の意味・わかりやすい解説

天気予報
てんきよほう
weather forecasting; weather prediction

将来の天気あるいは天気と関係する大気の状態を予報すること。天気予報の始まりは観天望気天気俚諺(てんきりげん)であるが,科学的な方向に歩みだしたのは温度計,気圧計などの測器がつくられ,定量的な観測が可能になってからである。1820年ドイツ人ハインリヒ・ウィルヘルム・ブランデスは 1枚の天気図をつくって,雨や曇りの区域が低気圧によることを見出した。フランスでは 1855年,クリミア戦争時に暴風雨のため軍艦が沈没したことをきっかけに,国家の手で組織的に日々の天気図をつくって天気予報に利用し始めた。その後,天気図に等圧線を描くだけでは天気予報に対して不十分であることから,天気図の解析法が研究された。1920年頃,ウィルヘルム・ビヤークネスを中心とするノルウェーの気象学者たちは,気団前線という新しい概念を基礎にして,低気圧の構造とその一生についてのモデルをつくり上げ,近代気象学の基礎をつくった。その後 1920年にラジオゾンデが開発されて中緯度の高層観測が充実し,第2次世界大戦後広域の高層天気図が解析されるようになって,新たにロスビー波ジェット気流,ブロッキング高気圧が発見され,天気とも密接な関係があることがわかり,天気図の総観解析も地上だけではなく高層を含む三次元に拡張された。同じく 1920年代に,イギリスのルイス・リチャードソンは実際の大気に流体力学の方程式を適用し,それを数値的に解くことによって天気予報が可能になると考え,みずから計算を実行した。しかし,計算に時間がかかりすぎることなどによって,この方面の発展は戦後のコンピュータの登場まで待たねばならなかった。戦後アメリカ合衆国のジュール・グレゴリー・チャーニー,ノーマン・A.フィリップス,ジョン・フォン・ノイマンなどにより,コンピュータを用いて簡単化された流体力学の方程式の数値積分が実行され,数値予報の先駆となり,その後の隆盛に連なった。近年レーダ,気象衛星,飛行機観測などによって観測は一段と充実しており,天気予報の精度も格段の進歩を遂げた。
天気予報をその予報期間によって分類すると,1~3時間先を予報する短時間予報,2~3日先を予報する短期予報,1週間先を予報する中期予報(週間天気予報),1ヵ月,3ヵ月,6ヵ月先の暖候期,寒候期を予報する長期予報(季節予報)に分けられる。また,用途によって一般予報と特殊予報に分けられる。一般予報には前述の短期予報,中期予報,長期予報に加えて,注意報,警報,情報がある。特殊予報には海上予報,航空予報,鉄道予報のように事業を対象にしたものがある。

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百科事典マイペディア 「天気予報」の意味・わかりやすい解説

天気予報【てんきよほう】

ふつうは今日,明日,明後日の天気の予測された状態を示すこと(短期予報)。ほかに週間予報,長期予報(1ヵ月予報,3ヵ月予報,季節予報など)がある。また各種の注意報,警報も広義の天気予報といえる。特別なものに,利用者別に出される雷雨予報,航空予報などがある。→気象情報サービス
→関連項目数値予報ローカル放送

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知恵蔵 「天気予報」の解説

天気予報

ある地域を対象にして、将来の気象状態を予測し、その結果を広く伝えること。目先の数時間以内の予報を短時間予報、今日・明日・明後日の天気予報、向こう7日間の週間天気予報、さらに1カ月先、3カ月先、半年先までの季節予報(一般には長期予報)などがある。地域時系列予報は、代表的な地点の天気・気温・風を3時間ごとに、24時間先まで予報するもの。全国20km四方ごとに分布図の形で予報するのが地方天気分布予報。雲を眺め、風や暖かさ、湿っぽさなどを感じとって天気を予測することを観天望気という。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

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世界大百科事典(旧版)内の天気予報の言及

【テレホンサービス】より

…このように,システムとしても,またその利用方法も簡便であり,さらに吹き込まれた情報がつねに更新されうるところから,情報の新陳代謝の激しい分野におけるメディアの一つとして,しだいに発展してきた。日本では,日本電信電話株式会社(NTT)が提供している時報(117番)は1日平均100万回,天気予報(177番)は同じく100万回も利用されるほど,日常生活に浸透している。ほかに新聞社,官庁,地方自治体,各種企業などがそれぞれ多彩なテレホンサービスを自営のシステムで提供している。…

※「天気予報」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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