天王寺(大阪市)(読み)てんのうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天王寺(大阪市)」の意味・わかりやすい解説

天王寺(大阪市)
てんのうじ

大阪市天王寺区の南部一帯の地。地名名刹(めいさつ)四天王寺の所在に由来。上町(うえまち)台地のほぼ中央部を占め、開発は古い。593年(推古天皇1)に聖徳太子建立の四天王寺が造営され、中世初期には門前町繁栄をみたが、南北朝の争乱期に一時衰退。近世豊臣(とよとみ)秀吉の大坂城下町形成にあたり、その外郭として寺町地区となった。1889年(明治22)に現在のJR関西本線が通じてから、天王寺駅を中心に大阪環状線、阪和線(はんわせん)や近畿日本鉄道南大阪線、阪堺(はんかい)電気軌道上町線(うえまちせん)、大阪市高速電気軌道(地下鉄)谷町線(たにまちせん)・御堂筋線(みどうすじせん)などが集中し、市の南玄関口をなしている。駅付近は商店街が発達し、地下街を擁して繁栄している。また駅の北西には天王寺動物園、天王寺公園、東には大阪教育大学(天王寺キャンパス)などがある。なお、天王寺区は1925年(大正14)に設けられたが、境界線が複雑であったため、1943年(昭和18)に周辺の一部の境界調整が行われた。

[位野木壽一]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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