コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

天皇の「おことば」 てんのうのおことば

1件 の用語解説(天皇の「おことば」の意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

天皇の「おことば」

宮中晩さん会や、外国訪問の際の天皇の「おことば」は、外務省を中心に政府の責任で作成されている。象徴天皇としては政治的発言はできないとしても、歴史的な加害責任を負う相手国の場合、反省の気持ちがどのように表現されるか注目を集める。いわば対等の交戦国だった米国に対しては「私が深く悲しみとするあの不幸な戦争」(1975年)。英国に対しては、捕虜虐待の過去に配慮して「戦争により人々の受けた傷を思う時、深い心の痛みを覚えます」(98年)とやや手厚い。侵略責任を問われる中国に対しては、訪中の際に「我が国が中国国民に対し多大の苦難を与えた不幸な一時期」(92年)と責任の主体を明確化した。また、植民地化の重い過去を引きずる韓国に対しては、来日した盧泰愚大統領に対して、「我が国によってもたらされた」と主体を明示したうえで「痛惜の念を禁じ得ません」(90年)と表現を強めている。本来、天皇の「おことば」や相手側スピーチに外交場裏の綱引き影を落とすことは、象徴天皇制の運用としては好ましくないだけに、政府・外交当局の慎重な配慮が求められる。

(岩井克己 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

天皇の「おことば」の関連キーワード国賓皇室外交公賓今際の際宮中御名朱雀院皇御祖聖算訪ひ

今日のキーワード

大寒

二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...

続きを読む

コトバンク for iPhone