太宰府(市)(読み)だざいふ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「太宰府(市)」の意味・わかりやすい解説

太宰府(市)
だざいふ

福岡県中西部にある都市。1982年(昭和57)市制施行。筑紫(つくし)、福岡両平野を結ぶ二日市構造谷(ふつかいちこうぞうだに)中央に位置する史跡の町で、JR鹿児島本線、西日本鉄道天神大牟田線(てんじんおおむたせん)と太宰府線、国道3号が通じ、九州自動車道と福岡都市高速2号が市の西部で接続している。7世紀後半の大宰府政庁設置により、平城京の3分の1の規模をもつ古代都市が建設され、西日本の政治・文化・外交の中心地として栄えた。903年(延喜3)に大宰権帥(ごんそち)としてこの地に没した菅原道真(すがわらのみちざね)を祀(まつ)る太宰府天満宮本殿などは国指定重要文化財)をはじめ、特別史跡である大宰府(都府楼(とふろう))政庁跡、水城跡(みずきあと)、大野城跡(おおのじょうあと)や、史跡の観世音寺(かんぜおんじ)、筑前国分寺跡(ちくぜんこくぶんじあと)、国分瓦窯跡(こくぶかわらがまあと)、大宰府学校院跡など多くの史跡、文化施設があり、これらは多数の参拝、観光客を集め、太宰府県立自然公園の中核をなす。1996年(平成8)太宰府市文化ふれあい館が開館、2005年には九州国立博物館が開館した。天満宮門前に中心市街地が発達福岡市に近いことから住宅大学などが進出し、衛星都市となっている。面積29.60平方キロメートル、人口7万3164(2020)。

[石黒正紀]

『太宰府天満宮編・刊『太宰府小史』(1952)』『『太宰府市史』全14冊(1992~2005・太宰府市)』


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