太陽・大陽(読み)たいよう

精選版 日本国語大辞典 「太陽・大陽」の意味・読み・例文・類語

たい‐よう ‥ヤウ【太陽・大陽】

[1] 〘名〙
太陽系の中心にある恒星。太陽系を支配する巨大な高温のガス球で原子核融合反応によって発生する膨大なエネルギーは電磁波または微粒子として周囲の天体伝播(でんぱ)される。質量は太陽系の全質量の九九・八パーセントを占め地球の三三万倍、半径は地球の一〇九倍。地球からの距離一億四九六〇万キロメートル。自転周期約二七日。光球の表面温度は摂氏約六〇〇〇度、外側のコロナでは一〇〇万度にも及ぶ。古来、万物を育(はぐく)む光と熱の源泉として、生命力・美・青春などの象徴とされる。日輪。火輪。
※凌雲集(814)序「氷夷讚洋詠井之見、不大陽昇景化草之明
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一「午を過ぎたる太陽は、透明なる光線を彼の皮膚の上に抛(な)げかけて」 〔後漢書‐桓帝紀〕
② あこがれている人。心のささえとなる異性。
※漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉あきれた連中「清美さん、アナタは僕の太陽(タイヤウ)です。アナタはなんて美しいのでせう」
[2]
[一] 総合雑誌。明治二八年(一八九五)一月から昭和三年(一九二八)三月まで博文館から刊行。高山樗牛、上田敏、大町桂月らが寄稿。政治経済学界からの論説文芸時評を掲載、樗牛が活躍した。
[二] 月刊グラフ総合雑誌。平凡社発行。昭和三八年(一九六三)六月創刊、平成一二年(二〇〇〇)一二月号で休刊
[語誌]古くは「大陽」と表記し、中古から見られる。「太陽」の表記は幕末の対訳辞書などに見られ、一般化するのは幕末から明治にかけてである。幕末の諸外国語の学習過程で、漢籍典拠がある「太陽」の方が選ばれるようになったものか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android