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奈良・高松塚古墳 ならたかまつづかこふん

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知恵蔵2015の解説

奈良・高松塚古墳

1972年に奈良県明日香村で、日本で初めて発見された極彩色壁画のある古墳。西暦700年(飛鳥時代)ごろの円墳(直径約23m)で、石室は幅1.04m、高さ1.13m、奥行き2.66m。玄武と青竜、白虎図と人物図、星宿図のほか海獣葡萄鏡などが見つかった。人骨の一部も残っていたが、被葬者は不明だ。2004年に、発生したカビやその除去作業、作業時の事故などで国宝の壁画が一部消えかかるなどの損傷が明らかになり、専門家によるプロジェクトチームが実物大の墳丘や石室でリハーサルした上で、07年4〜8月に特別史跡の墳丘・石室を解体した。石室は計16枚の凝灰岩を切り出した石材で、もろくなっていたため鉄枠で保護。無事に修理施設へ運び込まれた。発見された当時の壁画の美しさは損なわれ、カビや汚れの除去が進められるが、元の状態に戻すのは難しく、文化庁は「現状維持」を原則とする方針だ。石室が取り出された古墳は埋め戻され、今後、築造当時の円墳の姿に仮整備し、壁画、古墳を原状に戻す方針だ。文化庁は高松塚やキトラ古墳の古墳本体と壁画で異なる「縦割り行政」を改め、新たに「古墳壁画室」を設置。その効果も注目される。

(今井邦彦 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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