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女方(女形) おんながた

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世界大百科事典 第2版の解説

おんながた【女方(女形)】

歌舞伎の役柄の一つ。歌舞伎の女性の役の総称,および女性の役をつとめる俳優をいう。〈おやま〉ともいう。1629年(寛永6)に徳川幕府歌舞伎に女優が出演することを禁じたため,能以来の伝統によって男性が女の役をつとめ,現在に至る。女方の演劇的基礎は初期の芳沢あやめ瀬川菊之丞によって作られた。2人とも日常生活を女性のように暮らし,これが幕末まで女方の習慣となった。あやめには《あやめぐさ》,菊之丞には《古今役者論語魁》所収の芸談があり,2人の名女方の教訓は,長く女方の規範となった。

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世界大百科事典内の女方(女形)の言及

【演劇】より


【〈演劇〉という語をめぐって】
 〈演劇〉という単語は,たとえば清初に李漁が著した一種の演劇論《閑情偶寄》に用例がみられるように中国語起源であるが,日本語として用いられるようになったのは明治以後,西洋芸術の一表現様態(ジャンル)を前提にしてである。諸橋轍次《大漢和辞典》によれば,〈作者の仕組んだ筋書に本づき,役者が舞台で種々の扮装をなし,種々の言動を看客の前に演ずる芸術。しばゐ。狂言。わざをぎ。歌舞伎。…

【おやま】より

…〈おやまぐるい〉ということばは,遊女にうつつを抜かすことである。(3)歌舞伎の女方(おんながた)の別称。女方はまず遊女の役を得意としたところから,この呼称が生まれたという。…

【歌舞伎】より

…野郎歌舞伎時代,歌舞伎は演劇への道を自覚的に歩みはじめる。女方の写実的な演技術が模索されるとともに,立役,敵役その他の役柄がしだいに成立して,それぞれの演技のくふうが進む。寛文年間(1661‐73)には〈続狂言〉が成立し,これ以前の風俗スケッチ的寸劇から,一定のストーリーを持った劇的世界を獲得するに至る。…

【日本舞踊】より

…以後,女歌舞伎,若衆歌舞伎,野郎歌舞伎と変遷していくなかで,舞や振りという物まね的要素をとり入れて発展させた。そして女方の発生により舞踊の中心は女方に移って,元禄(1688‐1704)~享保(1716‐36)期に歌舞伎舞踊は第1次の完成をみた。この間に右近源左衛門の《海道下り(かいどうくだり)》,水木辰之助の〈槍踊(やりおどり)〉や《七化け(ななばけ)》などが生まれ,《七化け》は変化(へんげ)舞踊(変化物)の先駆をなした。…

【変装】より

…なかでも歌舞伎は,この変装のもつ官能の美と愉楽を最もよくその演劇世界に取り入れて体現した,比類なき芸能であるといってよい。そもそものお国歌舞伎が,当時流行の男伊達(だて)の風俗を〈男装〉によって模したものであったし,のちに政治と宗教の介入から女人禁制となると,いわばその代行として女方(おんながた)が生まれ,これは現代にまで至っている。 歌舞伎の女方の技術は京劇の女方よりも写実性にすぐれ,そのアンドロギュノス(両性具有)的な〈虚構の身体〉によった演戯的変奏の多様性は,おそらく世界に例を見ぬものであろう。…

※「女方(女形)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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