好塩細菌(読み)コウエンサイキン(英語表記)halophilic bacteria

デジタル大辞泉 「好塩細菌」の意味・読み・例文・類語

こうえん‐さいきん〔カウエン‐〕【好塩細菌】

好塩菌

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「好塩細菌」の意味・わかりやすい解説

好塩細菌
こうえんさいきん
halophilic bacteria

濃度食塩 NaCl中で成育できる細菌総称。高 NaClを必須条件とする細菌もあるが (Micrococcus halodenitrificans. Halobacterium halobium) ,高濃度ではなくても成育できるものもあり,これらは真の好塩性と区別して耐塩性といわれる。成育する NaCl濃度は,1molから飽和濃度近くにまで及ぶ。好塩細菌のもつ酵素のあるものは,高い食塩濃度中でのみ十分な活性を示す。好塩細菌は海産物や塩蔵食品の変質原因となることがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「好塩細菌」の意味・わかりやすい解説

好塩細菌
こうえんさいきん
halophilic bacteria

一般に塩類を好む細菌をいうが、厳密には生理学的な食塩濃度(約0.85%)以上の濃度に耐え、よく生育する細菌。海洋性の細菌では、生育のために約3%の食塩を必要とするが、それ以上の高濃度でも、その反対に食塩をまったく含まない培養基にも生育しない。また、これらの細菌は、塩耐性によって、非好塩菌、海水細菌、中等度好塩細菌、高度好塩細菌などに類別される場合もある。

[曽根田正己]

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栄養・生化学辞典 「好塩細菌」の解説

好塩細菌

 2%以上という食塩の高濃度の状態で最も発育のよい細菌で,耐塩菌とは区別される.Vibrio属,Pseudomonas属,Achromobacter属,Halobacterium属などにある.食中毒の原因となる場合もあり,また塩蔵品発酵に寄与する場合もある.

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