安物買いの銭失い(読み)ヤスモノカイノゼニウシナイ

デジタル大辞泉 「安物買いの銭失い」の意味・読み・例文・類語

安物やすものいのぜにうしな

安価な物を買うと、品質が悪かったり、すぐに買い替えなければならなかったりするので、かえって損になるということ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 「安物買いの銭失い」の解説

安物買いの銭失い

安い物を買うと品質が悪かったり、すぐ傷んだりして、結局損をする。

[使用例] 「わたしはあれを買った万さんをっているが、安物買いの銭うしないで、とんだ食わせものをい込んだと、しきりにこぼしぬいていましたよ。はははははは」
 「だって、おまえさん」と、亭主は少し口を尖らせて言い訳らしく言った。「まったくお値段との相談ですよ」[岡本綺堂*半七捕物帳―化銀杏|1923~25]

[使用例] 腕も値段もランクが下の町医者の、スカに当たったということか。昔からそういうたちだった。買い物といえばバーゲンで、それがいかにもバーゲン品という安物ばかり買ってしまう。おまえは安物買いの銭失いだよ、と母によく言われた[荻野アンナマドンナの変身失格|1993]

[解説] 安い物を買ってかなり得をしたつもりが、品質が悪くて使い物にならなかったり、すぐに傷んで修理にお金がかかったりして、後からよく考えると、損をしていることがままあります。ケースバイケースですが、よい物を買おうとするなら最初から安物には手を出さず、むしろ高いものを買うほうが賢明なことが多いともいえるでしょう。ことわざは江戸後期から今日まで使われ続けており、時代が変わっても、安物につい手を出してしまう消費者心理はなかなか変わらないようです。
 古くは一六世紀ごろから「安物の銭失い」といい、「安かろう悪かろう(高かろう良かろう)」ともいいました。

朝鮮싼 것이 비지떡(安いのがおから入りお焼き)

英語〕You get what you pay for.(払った金額なりの品が手に入る)

出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android