宮城野/信夫(読み)みやぎの/しのぶ

朝日日本歴史人物事典 「宮城野/信夫」の解説

宮城野/信夫

江戸時代の浄瑠璃碁太平記白石噺」や歌舞伎「姉妹達大礎」などの登場人物で,苦難の末に父の敵を討った姉妹の名。もとになった話は『月堂見聞集』によると以下の如くである。享保3(1718)年奥州白石の百姓,四郎左衛門が田辺志摩という武士口論の末斬り捨てられた。当時11歳と8歳の四郎左衛門のふたりの娘は,陸奥守の剣術指南役の滝本伝八郎のもとに下女奉公に行き,ひそかに6年間,剣術の稽古をした。これを知った滝本は,ふたりの志を遂げさせたい旨を陸奥守に申し出,ふたりは同8年3月,仙台白鳥大明神の社前でついに父の敵を討ったという。

(佐谷眞木人)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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