20世紀日本人名事典 「宮本 常一」の解説
宮本 常一
ミヤモト ツネイチ
昭和期の民俗学者 武蔵野美術大学名誉教授。
- 生年
- 明治40(1907)年8月1日
- 没年
- 昭和56(1981)年1月30日
- 出生地
- 山口県大島郡白木村(現・東和町)
- 学歴〔年〕
- 天王寺師範学校地理〔昭和4年〕卒
- 学位〔年〕
- 文学博士(東洋大学)〔昭和36年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 日本エッセイストクラブ賞(第9回)〔昭和36年〕「日本の離島」,中国文化賞〔昭和36年〕,今和次郎賞〔昭和52年〕「宮本常一著作集」
- 経歴
- 小学校教師をしながら独学で民俗学を研究。昭和7年柳田國男に認められて手紙で指導を受け、8年「口承文学」を創刊。11年近畿の有志と「近畿民俗」を創刊。14年上京、渋沢敬三主宰のアチック・ミューゼアム(のちの日本常民文化研究所)に入り、「おしらさま図録」などの共同研究の成果をまとめる。戦後は郷里に帰農したが、27年再び上京し、日本常民文化研究所の研究を再開、全国津々浦々を歩いて実地調査をかさね、柳田の語彙採集中心主義に対し、地域文化を支える生産者のエネルギーがどんな人間関係や環境から生まれるかを探る独自の“宮本民俗学”を確立した。この間、28年全国離島振興協議会を設立し、幹事長。40〜52年武蔵野美術大学教授。他に日本常民文化研究所理事、日本塩業研究会会長、日本観光文化研究所所長などを歴任。著書は「周防大島を中心としたる海の生活誌」「民俗学への道」「海をひらいた人々」「日本の離島」「日本民衆史」(全6巻)「瀬戸内海の研究」「私の日本地図」(全15巻)「旅人たちの歴史」(全3巻)など100冊を超え、集大成として「宮本常一著作集」(全41巻・別巻2 未来社)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報