寅(漢字)

普及版 字通 「寅(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 11画

(異体字)
16画

[字音] イン
[字訓] つつしむ・とら

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
矢+(きよう)。矢に両手を加え、矢がらの曲直を正す。〔説文〕十四下に「(ひん)なり」とあり、「ひざさら」の意とする。また「正、陽气動き、泉を去りて上出せんと欲するも、陰ほ彊(つよ)し。宀(ふか)くしてせず、下に寅するに象るなり」とあり、これは五行説によって説くものであろう。金文の〔陳侯因敦(ちんこういんしたい)〕に「侯、吉金を(いんせん)す」とあり、神に供えるときの儀礼をいう。

[訓義]
1. つつしむ、すすむ。
2. まこと、うやまう。
3. 矢がらを正す、弓引く。
4. 演に通じて、のぶ。
5. 十二支のとら。

[古辞書の訓]
名義抄〕寅 ツツシム 〔字鏡集〕寅 ツツシム・ウヤマフ・コハシ・ノブ・トラ

[語系]
寅・jien、演jyenは寅声。寅は、神事に用いる矢がらを正すので、つつしむ、伸ばすの意がある。inは(いんかつ)で「ため木」、木の曲直を正すもの。引jienは弓ひくこと。みな一系をなす語である。

[熟語]
寅畏寅縁寅誼寅恭寅兄寅虔寅好寅丈寅正寅生寅誠寅夕寅餞寅弟寅夜寅僚
[下接語]
建寅同寅

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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