富山県南砺市(読み)なんと〈し〉

日本の地名がわかる事典の解説

〔富山県〕南砺〈市〉(なんと〈し〉)


富山県南西端に位置する市。
西部で石川県、南部で岐阜県と接する。北部には砺波(となみ)平野が広がり、南部の庄川沿いの山間部には、白川郷とともにユネスコの世界文化遺産に登録されている、五箇山の合掌造り集落がある。市域の約8割が森林で、南西部は白山国立公園に含まれる。庄川扇状地には伝統的な散村景観が見られる。2004年(平成18)11月、東砺波郡の城端(じょうはな)町、同平村、同上平村、同利賀村、同井波町、同井口村、同福野町と西砺波郡の福光町の、4町4村が合併し成立。この合併により、東砺波郡は消滅した。
井波地区は瑞泉(ずいせん)寺の門前町で、江戸時代には金沢藩領の町場として機能。欄間(らんま)・獅子頭などの木彫工芸が盛んで、井波彫刻として国の伝統的工芸品にも指定されている。福野地区は市場町から発展、現在は伝統の木綿織物工場ほか機械・金属工場が集積。電照ギクを特産。福光地区も江戸時代からの市場町で、米・生糸・麻布の集散地。干柿と野球の木製バットが特産品で、スキー板の製造も行なう。城端地区は善徳寺の門前町・市場町で、「越中の小京都」ともよばれる。江戸時代の絹織物業から発展した繊維産業が盛んで、羽二重を特産する。平(たいら)・上平(かみたいら)・利賀村地区は五箇山(ごかやま)と呼ばれる山に囲まれた豪雪地帯。山村民俗の宝庫で、平家の落人伝説や、「こきりこ節(ぶし)」「麦屋節(むぎや)」などの民謡が伝わる。古くから和紙の生産で知られ、採光のよい合掌造りの2階部分ではかつては養蚕が行われていた。砺波平野では稲作が盛んで、ソバ・サトイモ・チューリップの球根なども栽培。山間部ではスギなどの良材を産出。伝統の木工業・織物業のほか、金属・プラスチックなどの工場も操業。庄川には祖山・小原・成出(なるで)などのダムがある。農業用溜め池の赤祖父湖はヘラブナ釣りの名所。利賀村地区は、世界演劇祭利賀フェスティバルの開催地として知られる。大牧温泉・天竺温泉が湧き、スキー場がある。

出典 講談社日本の地名がわかる事典について 情報 | 凡例

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