普及版 字通 「寡(漢字)」の読み・字形・画数・意味
寡
常用漢字 14画
[字訓] やもめ・すくない
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
宀(べん)+頁(けつ)+人。〔説文〕七下に「少なきなり」とし、「宀に從ひ、(はん)に從ふ。はち賦(わか)つなり。故に少なしと爲すなり」と解するが、字は(頒)に従う形でなく、下部は憂の側身形である。宀は家。頁は所で儀礼に従うときの形。喪葬のとき、頭に衰麻(さいま)の類をつけた人が、哀告する形を示したもので、〔礼記、王制〕「老いて夫無き、之れを寡と謂ふ」とあるのにあたり、寡婦をいう。老いて妻なきものを鰥(かん)という。
[訓義]
1. やもめ。
2. 徳少なきものの意より、すくない、まれ。
3. ひとりもの、弱小のものの意。
4. 王侯の自称に用いる。寡人。嗣君が即位するとき、孤、寡と称したことによる。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕寡婦 夜毛女(やもめ)〔名義抄〕寡 トモシ 〔字鏡集〕寡 ヤモメ・ヒトリ・サスリヒト・スクナシ・スコシ・アナツル
[語系]
寡koa、(孤)kuaは声義近く、幼にして父無きを孤という。〔釈名、釈親属〕に「寡は踝なり。踝踝は單獨の言なり」、また〔説文〕寡字条の〔段注〕に「そ然(らぜん)單獨なるを、皆寡と曰ふ」とあり、踝hua、luaiも同系の語。
[熟語]
寡恩▶・寡過▶・寡学▶・寡居▶・寡君▶・寡兄▶・寡見▶・寡▶・寡言▶・寡孤▶・寡功▶・寡刻▶・寡妻▶・寡識▶・寡弱▶・寡酒▶・寡処▶・寡女▶・寡少▶・寡人▶・寡浅▶・寡鮮▶・寡孀▶・寡多▶・寡断▶・寡儔▶・寡徳▶・寡特▶・寡独▶・寡訥▶・寡薄▶・寡婦▶・寡夫▶・寡聞▶・寡謀▶・寡味▶・寡命▶・寡黙▶・寡欲▶・寡慮▶・寡劣▶・寡陋▶
[下接語]
簡寡・鰥寡・居寡・矜寡・孤寡・才寡・弱寡・守寡・衆寡・小寡・少寡・新寡・賑寡・多寡・寡・疲寡・貧寡・豊寡
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報