寧・無乃(読み)むしろ

精選版 日本国語大辞典 「寧・無乃」の意味・読み・例文・類語

むしろ【寧・無乃】

〘副〙 (漢文訓読に用いられた語)
事柄事態選択を示し、多くあれよりもこれを選ぶという気持を表わす語。どちらかといえば。いっそ。
※山田本妙法蓮華経平安初期点(830頃)「我寧ろ法をば説きたまは不して、疾く涅槃するに入りたまひなましとおもほしき」
青年(1910‐11)〈森鴎外〉一九「夫人は半ば無意識にそれを利用して、寧(ムシ)ろ悪用して」
② (反語助詞「や」と呼応して) どうして…しようか、そのようなことはない。
※金剛般若経讚述仁和元年点(885)「若有相にして施を行するいは尚十王の報だも得ず、寧ろ仏の菩提を得むや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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