寺崎 英成（読み）テラサキ ヒデナリ

20世紀日本人名事典

寺崎 英成
テラサキ ヒデナリ

昭和期の外交官 元・宮内省御用掛。

生年

明治33(1900)年12月21日

没年

昭和26(1951)年8月21日

出生地

神奈川県

学歴〔年〕

東京帝国大学法学部大学院〔大正10年〕中退

経歴

外務省入省。ワシントンの日本大使館在勤中、米国人グエンドレン・ハロルドと知り合い結婚。のち、上海、ハバナ、北京など在外勤務を経て、再びワシントンに戻り、一等書記兼ニューヨーク領事となり、野村吉三郎大使を補佐して対米交渉に当った。日米開戦後、昭和17年8月、妻グエン、娘マリ子と共に帰国、外務省の政務局第7課長に。敗戦後、21年2月宮内省御用掛(通訳)に任命され、天皇とマッカーサー元帥との会見の通訳を務めると共に、米国側へ戦犯関係の極秘情報を提供した。柳田邦男作「マリコ」の主人公のモデルであり、この作品はNHKでテレビドラマとして放送された。平成2年遺品の中から太平洋戦争前後の昭和天皇の独白記録が発見され、話題を呼んだ。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）