寿・言祝(読み)ことほぎ

精選版 日本国語大辞典 「寿・言祝」の意味・読み・例文・類語

こと‐ほぎ【寿・言祝】

〘名〙
① (上代は「ことほき」) ことほぐこと。ことばで祝うこと。また、そのことば。ことぶき。祝賀。賀。
延喜式(927)祝詞(九条家本訓)「天つ璽(しるし)の劔鏡を捧げ持ち賜ひて言寿(コトホキ)古語に許止保企(コトホキ)といへり。寿詞といへるは今の寿觴(さかほかひ)の詞の如し〉宣(の)りたまひしく」
② 祝いの挨拶と、それに添える贈り物。祝いの品々。
蜻蛉(974頃)下「うぶやの事ありしを〈略〉ことほきをぞさまざまにしたる」

こと‐ほ・ぐ【寿・言祝】

〘他ガ五(四)〙 (上代は「ことほく」。「言(こと)(ほ)く」の意) ことばで祝福する。よろこびを言う。祝福する。賀す。ことぶく。
古事記(712)中「爾に言祷(ことほ)き白ししく」
人情本春色梅児誉美(1832‐33)四「幾代かかほる春の梅、実いりをここに寿(コトホギ)て、めでたく筆をおさめはべりぬ」
[補注]ことばに現実をあやつる力があると信じられていた日本古代の言霊(ことだま)思想を反映した語であるとみられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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