射(漢字)

普及版 字通 「射(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] シャ・セキ・エキ・ヤ
[字訓] いる・あてる・いとう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
初形は弓+矢+(ゆう)(手)。弓に矢をつがえてこれを射る形。のち弓矢の形を身と誤り、金文にすでにその形に近いものがある。〔説文〕五下に「弓弩(きゆうど)、身より發して、きに中(あた)るなり。矢に從ひ、身に從ふ」とするのは、のちの篆文字形によって説くもので、身の部分は弓の形である。射は重要な儀礼の際に、修祓の呪儀として行われたもので、盟誓のときには「射(くわいしや)(会射)」して、たがいに誓う定めであった。字にまた釋(釈)(せき)・(えき)の音があり、その字義にも用いる。

[訓義]
1. いる、弓をいる。
2. 釈と通じ、あてる、推測する、さしとる。
3. と通じ、いとう、あく。
4. 繹(えき)と通じ、つづく。
5. (と)と通じ、つくす、やぶる。

[古辞書の訓]
和名抄〕射 由美以留(ゆみいる)/射 加知由美(かちゆみ)/細射 末々岐由美(ままきゆみ)/射 楊氏語抄に云ふ、止保奈計(とほなげ)/馳射 今案ずるに、俗に云ふ、於无毛乃以(おむものいる)/弋射 以豆留(いづる)(箋注)蓋し射の義/照射、今案ずるに、此のに、照射を止毛之(ともし)と云ふ/戲射 今案ずるに、此のに佐以多天(さいたて)と云ふは、是なるか。(箋注)谷川(士清)氏曰く、左以多天は、疑ふらくは小射楯の義ならん/射乏 夜布世岐(やふせぎ)/射翳 師に、末布之(まぶし) 〔名義抄〕射 イル・ハカル・トホシ・ユミイル・イトフ/照射 トモシ/戲射 サイタテ/射乏 ヤフセギ/弋射 イツル/射 カチユミ/細射 ママユミ/射 トホナゲ/馳射 オムモノイル 〔字鏡集〕射 ハヤシ・イル・ヤ・ユミイル・トホシ・イトフ・ハカル・トホル

[声系]
〔説文〕に射声として謝・など三字を収める。は〔新附〕にみえるが、金文にみえる射廬の意。射は和好を示す重要な儀礼で、謝はその声義を承けるものであろう。

[語系]
射djyak、釋sjyakは声近く、通用することがある。舍(舎)sjyaもその声が近い。またjyakも声が通じ、通用することがある。

[熟語]
射意・射影・射獲射捍・射器・射機・射儀・射宮・射御・射芸・射月射侯・射工射倖・射射鉤射殺・射士・射日・射者・射手・射招射場・射数・射・射中・射天・射服・射射猟・射礼・射官・射・射策・射像・射的・射覆・射利・射干
[下接語]
暗射・宴射・燕射・会射・学射・騎射・享射・郷射・射・激射・姑射・工射・巧射・好射・習射・照射・拙射・善射・掃射・速射・大射・弾射・馳射・逐射・注射直射・弩射・博射・発射・反射・賓射・無射・輻射噴射・聘射・放射・僕射・弋射・乱射・猟射

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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