小西 定助(読み)コニシ テイスケ

20世紀日本人名事典 「小西 定助」の解説

小西 定助
コニシ テイスケ

大正・昭和期の農業指導者,郷土史家 三吉郷開拓組合長。



生年
明治19(1886)年8月3日

没年
昭和39(1964)年3月18日

出生地
秋田県平鹿郡沼館町(現・雄物川町)

学歴〔年〕
東京高等農学校〔明治42年〕卒

主な受賞名〔年〕
秋田県知事賞一位〔昭和11年〕

経歴
明治42年帰郷、農村の育成と教育を志す。大正1年夜学会館・日新学堂を設立し、農村青年を教育。大正3年それまでの実績を買われて沼館農業会副会長となり、次いで昭和3年には農業技術指導員に任命された。昭和初期、冷害や世界恐慌などが相次いで東北の農村が大打撃を受けたのに際し、農地の拡張や農事の機械化、飼育費のかからない役牛の導入などで合理化を推進。さらに、水利の確立や改良米の産出、副業としてワングルスリッパ作りを奨励するなど、生産性の向上・農家の生活安定にも尽力。7年にはこれらの施策が高く評価され、沼館は政府の経済更正指定町村に選ばれた。その傍ら、明治19年以来の天気・気温などを調査し、農事との因果関係を研究して昭和11年には秋田県知事賞一位を受賞。12年秋田県農会技師。戦後は三吉郷開拓組合長として開拓民の指導に当たった。また、郷土史家としても活躍し、文化財保護や考古遺物の発掘などを行った。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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