尻別川(読み)シリベツガワ

デジタル大辞泉 「尻別川」の意味・読み・例文・類語

しりべつ‐がわ〔‐がは〕【尻別川】

北海道南西部を流れる川。支笏しこつ西岸にある標高1046メートルのフレ岳に源を発し、日本海に注ぐ。長さ126キロ。

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日本歴史地名大系 「尻別川」の解説

尻別川
しりべつがわ

後志地方を西へ流れて日本海に注ぐ一級河川近世にはシリヘツ川・シリベツ川・シリベシ川などとみえるほか、すでに尻別川とも記されていた。明治期には「後別川」(北行日記)、「後方羊蹄川」(春日紀行)、「後志川」(「ケプロン報文」来曼測量初期報文)などとある。胆振支庁有珠うす大滝おおたき村北部の七〇〇―八〇〇メートル級の山嶺を水源とし、洞爺とうやカルデラ北麓、羊蹄ようてい山北麓、ニセコ連峰南麓と後志火山群の主要部を屈曲、流路延長一二五・七キロ(うち指定区間一一一・二キロ)流域面積一六四〇平方キロ(山地一四四四・八平方キロ、平地一九五・二平方キロ)で、後志地方の最長流。上流筋より後志支庁虻田あぶた喜茂別きもべつ町域でオロウェンシリベツ川・登延頃のぼりえんころ川・喜茂別川、同郡京極きようごく町域でワッカタサップ川・ペーペナイ川、同郡倶知安くつちやん町域でポンクトサン川、同郡ニセコ町域で真狩まつかり川・ルベシベ川、磯谷いそや蘭越らんこし町域で昆布こんぶ川・さかさ川・目名めな川・ペンケ目国内めくんない川・オサンナイ川などを合流、同町と寿都すつつ寿都町境の尻別岬の東手を河口部とする。近世には「シリヘツ川」(廻浦日記・観国録)、「シリベツ川」(玉虫「入北記」)、「シリヘシ川」(行程記)、「シリベシ川」(板本「東蝦夷日誌」)などとみえる。

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改訂新版 世界大百科事典 「尻別川」の意味・わかりやすい解説

尻別川 (しりべつがわ)

北海道南西部,支笏湖西方の山地に発して西に流れ,羊蹄山,ニセコアンヌプリの山すそをめぐって,蘭越(らんこし)町で日本海に注ぐ川。幹川流路延長126km,全流域面積1640km2。全流域が火山地域で,山体に接近した部分では河谷は狭く,その上流部には盆地が開けている。羊蹄山麓付近で大きく蛇行を繰り返して流れ,その両岸は畑作地帯となっている。中流部の俱知安(くつちやん)盆地では下流部の蘭越町とともに水田が卓越し,中心の俱知安町は周辺の農産物集散地としての機能を有する。ニセコアンヌプリ付近では穿入蛇行して2~3段の狭い河岸段丘を形成している。この川に沿ってJR函館本線が走る。
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百科事典マイペディア 「尻別川」の意味・わかりやすい解説

尻別川【しりべつがわ】

北海道後志(しりべし)地域を西流する川。長さ126km,流域面積1640km2支笏(しこつ)湖の西に発し,羊蹄山北麓を回って谷底平野をつくり,日本海に注ぐ。江戸時代には船渡しが置かれ,渡し賃をとっていた。流域は早くから河口と太平洋側の両方から集団移住者によって開拓され,ジャガイモ,米,アスパラガス栽培が盛ん。
→関連項目喜茂別[町]ニセコ[町]蘭越[町]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尻別川」の意味・わかりやすい解説

尻別川
しりべつがわ

北海道南西部、後志(しりべし)総合振興局管内を流れる川。一級河川。延長126キロメートル、流域面積1640平方キロメートル。札幌市と伊達(だて)市の境界の山地に源を発し、羊蹄山(ようていざん)を迂回(うかい)し、ニセコアンヌプリ南麓(なんろく)を西流して蘭越町(らんこしちょう)で日本海に注ぐ。河口から20キロメートル上流までは水田地帯をなし、耕地ではジャガイモ、アスパラガス、豆類などを栽培している。

[瀬川秀良]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尻別川」の意味・わかりやすい解説

尻別川
しりべつがわ

北海道南西部を流れる川。支笏湖西方の山地に源を発し,羊蹄山 (1898m) ,ニセコアンヌプリ (1308m) の山麓を迂回し,蘭越町で日本海に注ぐ。全長 129km。中流域の羊蹄山北麓はジャガイモ,テンサイ,アスパラガスなどの特産地。ニセコアンヌプリ南麓では水力発電が行われる。

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