尿素サイクル異常症(高アンモニア血症)

内科学 第10版 の解説

尿素サイクル異常症(高アンモニア血症)(アミノ酸代謝異常)

(4)尿素サイクル異常症(高アンモニア血症)
病因
 体内にて発生したアンモニアは肝の尿素回路で尿素に合成され,解毒される.尿素回路の機能障害により,高アンモニア血症を生ずる【⇨図13-3-12】.高アンモニア血症が存在すると重篤な中枢神経障害を招く(表15-10-2)【⇨13-3-4)】
神経症状
 血中アンモニア増加は,嘔吐嗜眠,興奮,痙攣,知的障害や運動障害を呈する.同一疾患でも新生児期から発症する例,乳幼児期あるいはそれ以降に発症する例,間欠的に発症する例あるいはまったく無症状の例があり,一般に新生児期発病例は重症である.オルニチントランスカルバミラーゼOTC)欠損症男児例は重症であり,新生児期に発病することが多く,女児例は軽症であり乳幼児期以降に発症する.[青木継稔]
■文献
Behrman RE, Kliegman RM, et al eds: Nelson Textbook of Pediatrics, 19th ed, WB Saunders, Philadelphia, 2011.Scriber CR, Beaudt AL, et al eds: The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Disease, 8th ed, McGraw-Hill, New York, 2001.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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