山田哲人(読み)やまだてつと

知恵蔵 「山田哲人」の解説

山田哲人

日本のプロ野球選手で、東京ヤクルトスワローズに所属する内野手。1992年7月16日生まれ、兵庫県出身。身長180センチメートル、体重76キログラム(2016年8月時点)。右投げ右打ち。193本のシーズン日本人右打者最多安打記録(14年)を持ち、15年には3割、30本塁打、30盗塁をいずれも上回るトリプルスリーを達成した。
小学生の時に宝塚リトルリーグで野球を始め、中学時代にはヤングリーグの兵庫伊丹に所属。08年4月に大阪の履正社高校へ進学し、高校3年の夏に大阪府予選を勝ち抜いて甲子園で行われた第92回全国高等学校野球選手権大会へ出場した。初戦の2回戦は天理高校(奈良)に4対1で勝利したが、続く3回戦では聖光学院(福島)相手に2対5で敗れている。なおこの試合では聖光学院のエース・歳内宏明(現・阪神タイガース)から、0対2と2点を追う6回にレフトスタンドへ同点となる2ランホームランを放った。高校通算本塁打は31本。高校時代は同じ履正社高校の5学年先輩に当たるT-岡田(現・オリックス・バファローズ)になぞらえて、T-山田と呼ばれることもあった。10年秋のドラフト会議ヤクルトから1位指名を受けて入団。プロ野球選手となる。
ルーキーイヤーの11年は、シーズン中に1軍での出場はかなわなかった。しかし中日ドラゴンズとの間で争われたクライマックスシリーズ(CS)では、第2戦で高校卒業新人野手としてはCS史上初となる先発出場を果たした。翌12年4月5日の阪神戦に代打出場して1軍でのシーズン公式戦にデビューし、その打席で榎田大樹からプロ初安打を記録。8月10日の読売ジャイアンツ戦では内海哲也から本塁打を放ち、プロ初ホームラン、初打点を記録した。プロ3年目の13年は、94試合に出場して打率.283、3本塁打、26打点、9盗塁の成績を収め、二塁手のレギュラーポジション獲得への足掛かりを作った。
4年目の14年は初めて開幕戦の先発メンバーに名を連ね、安打を次々と積み重ねていく。8月にはこの月リーグ1位の41安打を放って、自身初となる月間MVPに選ばれた。最終的に143試合に出場して打率.324、本塁打29、打点89、盗塁15の好成績をマーク。193本ものヒットを量産し、1950年に藤村富美男(阪神)が記録した191本を抜いて、シーズン日本人右打者最多安打記録を樹立した。
更に翌15年には自身初となる全試合フルイニング出場を果たし、打率.329、本塁打38、盗塁34でトリプルスリーを達成。打点は100を記録し、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。トリプルスリーと100打点の同シーズン達成は、1950年の別当薫(毎日オリオンズ)と岩本義行(松竹ロビンス)以来となる65年ぶり3人目の快挙であった。また8月21日から22日にかけての中日戦で、プロ野球タイ記録となる史上19人目の4打数連続本塁打をマーク。ソフトバンクとの間で争われた日本シリーズは1勝4敗に終わって日本一には届かなかったものの、第3戦では日本シリーズ史上初となる1試合3打席連続ホームランを記録する活躍を見せた。
続く16年も開幕からフルイニング出場を続けていたが、7月30日の巨人戦で田原誠次から背中に死球を受ける。その後も試合に出ていたものの、8月9日の中日戦で1回の第1打席に立った後に背中の痛みを訴えて途中交代した。診断結果は左第8肋骨骨挫傷で、翌10日に出場登録を抹消されている。これにより14年7月13日の横浜DeNAベイスターズ戦から続いていた連続フルイニング出場は、316試合でストップした。それでも8月24日の中日戦から1軍に復帰している。

(場野守泰 ライター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「山田哲人」の解説

山田哲人

プロ野球選手で、右投右打の内野手。1992年7月16日生まれ、兵庫県豊岡市出身。2010年に履正社高等学校を卒業した後、ドラフト1位で東京ヤクルトスワローズに入団する。14年、日本人右打者のシーズン最多となる193安打を記録し、ベストナインに選出された。15年、同一シーズン内に打率3割、30本塁打、30盗塁を達成するトリプルスリーを達成するとともに、プロ野球史上で初めて本塁打王と盗塁王を同時獲得した。16年には打率3割0分4厘、38本塁打、30盗塁の成績で二度目のトリプルスリーを達成し、プロ野球史上初となる複数回達成者となった。さらに18年には打率3割1分5厘、34本塁打、33盗塁の成績で三度目を達成した。

(2018-10-11)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android