精選版 日本国語大辞典 「山繭・山蚕」の意味・読み・例文・類語
やま‐まゆ【山繭・山蚕】
〘名〙
① ヤママユガ科の大形のガ。はねの開張約一三センチメートル。はね・体ともに灰黄褐色ないし暗紫褐色で、各はねに眼状紋と、暗色の筋がある。七~九月に現われ、灯火にも寄る。幼虫は剛毛を備え、体長約一〇センチメートルにもなる。クヌギ・ナラなどの葉を食べ、長楕円形で淡黄緑色の繭をつくる。日本各地、朝鮮半島、台湾などに分布。繭からは良質の「てぐす」がとれる。かつては各地で飼育されたが現在はほとんど飼育されない。やままゆが。やままゆのちょう。てんさん。山蚕(やまこ)。やままい。《季・春‐夏》
※師兼千首(1380頃)恋「しづのめがひく山まゆのいとせめて乱れそむとも知る人やなき」
② 「やままゆおり(山繭織)」の略。
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