岡本三右衛門(読み)おかもとさんえもん

改訂新版 世界大百科事典 「岡本三右衛門」の意味・わかりやすい解説

岡本三右衛門 (おかもとさんえもん)
生没年:1602-85

本名ジュゼッペ・キアラGiuseppe Chiara。シチリア島生れのイタリア人でイエズス会士。転伴天連(ころびばてれん)。1643年(寛永20)ペドロ・マルケスらとともにキリスト教布教を目的として日本入国を企て筑前大島に上陸したが,捕らえられて江戸で棄教した。以来宗門改役の監視の下で日本人妻と小石川キリシタン屋敷内の囲屋敷に幽閉されたが,十人扶持を給され,奉行諮問に答えて宗門の書物等を述作した。死後小石川無量院で火葬され,戒名を〈入専浄真信士〉と授けられたことが《査祅余録》に記されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「岡本三右衛門」の意味・わかりやすい解説

岡本三右衛門【おかもとさんえもん】

本名ジュゼッペ・キアラ(キヤラ)。イタリア,シチリア島生れのイエズス会士。1643年他の神父従者と筑前大島(ちくぜんおおしま)に潜入,逮捕される。江戸小石川(こいしかわ)の牢で拷問を受け棄教。妻帯改名のうえ,宗門改役御用となり,キリシタン屋敷にとどめられた。《契利斯督記(キリストき)》などに収められている彼の口述は,キリシタン史料として重要。
→関連項目キリシタン屋敷転びキリシタン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

防府市歴史用語集 「岡本三右衛門」の解説

岡本三右衛門

宮市商家に生まれ、国学を学んで思想を同じくする志士たちに金銭を貸し与えたり、様々な助けを惜しみませんでした。彼と交流があった志士には、久坂玄瑞[くさかげんずい]や高杉晋作[たかすぎしんさく]などがいます。

出典 ほうふWeb歴史館防府市歴史用語集について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android