岩倉市(読み)イワクラシ

デジタル大辞泉 「岩倉市」の意味・読み・例文・類語

いわくら‐し〔いはくら‐〕【岩倉市】

岩倉

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日本歴史地名大系 「岩倉市」の解説

岩倉市
いわくらし

面積:一〇・四六平方キロ

県北西部、旧丹羽郡内の南西部にある。木曾川の形成した扇状地の先に広がる自然堤防帯の砂質壌土地域で、標高約一〇メートルの平坦地。岩倉の地名はほん町にある新溝にいみぞ神社の六個の巨石に象徴されるように「磐座」から発したといわれるが、文献上では明応七年(一四九八)六月二日の方便法身画像裏書(光禅寺蔵)の「尾州丹羽郡岩倉村 井上庄中野六郎丸」が初見。

〔原始〕

市域内には縄文後期の西北出にしきたで遺跡、弥生前期ののんべ遺跡、弥生中期の住居跡の完全発掘によって県指定された大地だいち遺跡、各種の磨製石器を出土した弥生中・後期の曾野その遺跡などがある。

〔古代〕

丹羽郡の条里は「良峯氏系図」によって北から数えて二三条あったとされ、郡内には条里遺構の大規模な残存にもかかわらず、数詞のつく坪名がほとんどない。このため条の比定は困難だが、当市の石仏いしぼとけ町の市之坪いちのつぼ八劔やつるぎ町の十一じゆういち十二田じゆうにだの小字名が手がかりの一つに数えられている。坪内の順序は蛇行式で、東北隅より西北隅に終わると考えられている。天長二年(八二五)一一月一二日の尾張国検川原寺田帳(東寺文書)によって大和国弘福ぐぶく寺の寺田が丹羽郡内に一〇町存在し、十六条道辺里と十七条桑原里にまたがることが知られ、当市もそのうちのどこかを含んでいたと推定される。

弘安五年(一二八二)七月の尾張国千世氏荘坪付注進状案(醍醐寺文書)に「馬伏里一々丁 四坪丁」とあるが、この馬伏里は野寄のより町の小字名に馬伏まぶしがあり、明治二一年(一八八八)の土地実測字絵図(岩倉市役所蔵)によれば、約六〇間の正方形に近い区画があり、周辺の小字も同様の広さをもつ正方形に近い区画の耕地である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩倉市」の意味・わかりやすい解説

岩倉〔市〕
いわくら

愛知県北西部にある市。全国初の「環境保全都市宣言」を掲げて 1971年市制。古くから開けて条里制の遺構を残す。享保 12年 (1727) から市場町として発展。名古屋鉄道犬山線通り,岩倉駅付近には住宅団地が進出し,名古屋市の衛星都市となった。農村部も宅地化が進んでいる。木材衣服やその他の繊維,食品を生産。五月幟,鯉幟は特産。面積 10.47km2人口 4万7983(2020)。

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