日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩内(町)」の意味・わかりやすい解説
岩内(町)
いわない
北海道西部、後志(しりべし)総合振興局管内にある町。積丹(しゃこたん)半島の南の付け根に位置し、町名はアイヌ語の「イワウナイ」(硫黄(いおう)の流れる沢の意)に由来する。1879年(明治12)岩内戸長役場を設置。1900年(明治33)町制施行。1955年(昭和30)島野村と合併。国道229号が通じる。日本海に面して岩内港があり、岩内港工業団地が造成され、機械、プラスチック、流通などの企業が進出。1954年9月26日台風15号の強風による大火では焼失家屋3000余戸、焼死者33名に及んだ。かつてはニシン漁でにぎわったが、現在ではスケトウダラ(たらこ)、イカ、マスの漁獲がある。サケ孵化(ふか)事業、ウニ移植放流、ヒラメ養殖など栽培漁業も行われる。有島武郎(たけお)文学碑や、弁慶の刀掛岩などの奇勝のある雷電海岸はニセコ積丹小樽(おたる)海岸国定公園の一部。雷電温泉やスキー場がある。面積70.60平方キロメートル、人口1万1648(2020)。
[瀬川秀良]
『『岩内町史』(1966・岩内町)』
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