岩城(秋田県)(読み)いわき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩城(秋田県)」の意味・わかりやすい解説

岩城(秋田県)
いわき

秋田県南西部、由利郡(ゆりぐん)にあった旧町名(岩城町(まち))。現在は由利本荘(ほんじょう)市の北部を占める地域。西は日本海に面し、北部は秋田市に接する。旧岩城町は、1955年(昭和30)亀田(かめだ)町と道川(みちかわ)村が合併して成立。2005年(平成17)本荘市および矢島(やしま)、由利、西目(にしめ)、鳥海(ちょうかい)、東由利大内の6町と合併して、由利本荘市となった。岩城の名は亀田藩主岩城氏にちなむ。日本海沿いをJR羽越本線と国道7号(羽州街道)が走り、そのほかに国道341号が通じ、日本海東北自動車道の岩城インターチェンジがある。中世は由利十二頭の一人赤尾津氏(あこうづうじ)の支配を受け、近世は亀田藩2万石の城下であった。また道川は浜街道の宿駅であった。地域の大部分は笹森(ささもり)丘陵で、その中を流れる衣(ころも)川、蛇田川などの侵食谷に耕地があり、米、野菜を産する。また酪農や観光漁業にも力を注いでいる。かつては「ぜんまい白鳥織(ぜんまいはくちょうおり)」(ゼンマイ綿毛ハクチョウの羽根綿を織り混ぜたもの)で知られた。自然休養村センター、県立岩城少年自然の家などがある。

[宮崎禮次郎]

『『岩城町郷土史』1~3集(1964~1968・岩城町教育委員会)』『『岩城町史』(1996・岩城町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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