岩美(町)(読み)いわみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩美(町)」の意味・わかりやすい解説

岩美(町)
いわみ

鳥取県北東端、岩美郡にある町。日本海に沿う。1954年(昭和29)岩井浦富(うらどめ)の2町と大岩、本庄(ほんじょう)、小田(おだ)、蒲生(がもう)、網代(あじろ)、田後(たじり)、東(ひがし)の7村が合併して成立。JR山陰本線、国道9号、178号、山陰近畿自動車道(一部)が通じる。開発は古く、銅鐸(どうたく)出土地(新井(にい))、条里制遺構、銅、銀の古採鉱跡(荒金(あらがね)、銀山)があり、式内社許野乃兵主神社(こののひょうすじんじゃ)は古来但馬(たじま)(兵庫県)との交流を思わせる。室町時代の山名時氏(やまなときうじ)以来5代の拠点二上(ふたかみ)山城跡、戦国時代の山中鹿之介(しかのすけ)の因幡(いなば)攻略の拠点桐山城跡(きりやまじょうあと)もある。岩井は古くからの温泉地であり、浦富海岸は山陰海岸国立公園の一部で、国指定名勝・天然記念物。県立博物館付属山陰海岸学習館(現、山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館)がある。唐川(からかわ)のカキツバタ群落も国の天然記念物。また岩井廃寺塔跡は国の史跡に、毎年6月に行われる大羽尾(おおばねお)の「因幡の菖蒲綱引き(いなばのしょうぶつなひき)」は国の重要無形民俗文化財に指定されている。面積122.32平方キロメートル、人口1万0799(2020)。

[岩永 實]

『『岩美町誌』(1968・岩美町)』


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