嵐山(町)(読み)らんざん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「嵐山(町)」の意味・わかりやすい解説

嵐山(町)
らんざん

埼玉県中央部、比企郡(ひきぐん)にある町。1967年(昭和42)菅谷(すがや)村が町制施行して嵐山町改称町名の由来は、町域を流れる槻(つき)川の景勝地を武蔵嵐山(むさしらんざん)と称したことによる。東武東上線と国道254号が通じ、関越自動車道嵐山小川インターチェンジがある。南北に細長い町で、北部は比企北丘陵、中央部は東松山台地、南部は比企南丘陵と変化に富み、県立比企丘陵自然公園の中心に位置する。中世から開発された土地で、鎌倉街道が通り、都幾(とき)川河畔にある畠山重忠(はたけやましげただ)の菅谷館跡(すがややかたあと)をはじめとする比企城館跡群は国指定史跡。また、向徳寺(こうとくじ)の銅造阿弥陀如来(あみだにょらい)および両脇侍(わきじ)立像は国の重要文化財に指定されている。農業は米麦作を中心に、酪農が盛んで乳業工場がある。都心から60キロメートル圏にあり、交通の便のよいところからしだいにベッドタウン化が進み、人口も増加した。菅谷館跡付近には、国立女性教育会館(NWEC)や県立嵐山史跡の博物館がある。面積29.92平方キロメートル、人口1万7889(2020)。

[中山正民]

『『嵐山町誌』(1983・嵐山町)』


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